ツイッターが日本でリリースされたのは2008年。当初はその先行きを懐疑的にみる意見もあったが、日本市場の収益は米国に次ぐ2番目となった。昨年8月の発表によれば第二四半期に日本は英国を抜き、全世界の収益の10%、売り上げ6120万米ドルの売り上げを記録している。
多くの市場で成長が停滞する一方、日本の月間アクティブユーザー数は4000万人(2016年9月時点)で、さらなる拡大を続けている。市場規模はこれまで自然に拡大してきたが、今後、仕事を持つ30代を取り込むためには、より計画的な施策が必要だとツイッター側は考えている。
日本での最初のブランドキャンペーンでは、ツイッターが、どんなニッチな分野でも最新情報を得るためのベストな手段だと訴求する。首都圏主要駅や電車内、そしてオンライン上で展開するキャンペーンでは「あなたの知らない今がある」をキャッチフレーズに、トランプ大統領から高校野球、相撲、猫、待機児童問題までさまざまな話題にまつわるつぶやきを載せており、人目を引く。
ツイッター社で日本およびアジア太平洋地域を担当するマーケティングディレクター、渡辺英輝氏は「ツイッターを利用していない30代以上の人たちはツイッターを、単にソーシャルネットワークとしてのミニブログと捉える傾向があります。一方でアクティブユーザーはツイッターを、自分の周りの出来事を知り、それらに対するさまざまな見方を理解する最も早い方法と考えているのです」と語る。
重要なのは「他人同士のやり取りを見るだけでなく、そこに参加することができるプラットホームだ」と認識してもらうことだという。
「ツイッターは、多忙な社会人が情報やニュースをリアルタイムに獲得する、有効な手段になり得るのです。ニュースや情報を即時に確認できる手段だと打ち出すことで、ここ2年で新たなユーザーが獲得できました。これは日本のみならず世界的な現象です」
Campaignの視点:
ツイッターが今までこの点に着目してこなかったことが不思議だ。我々はこのプラットホームが、情報を得るための明らかに有効な手段だと考えていたはずだ。もし本当に誰もこのことを認識していなかったとしたら、メッセージを効果的に伝達するのにこのコピーやクリエイティブで十分なのかどうか不安が残る。成否は、時が経てば明らかになるだろう。
(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳:岡田藤郎 編集:田崎亮子)