新年、明けましておめでとうございます。2017年の幕開けは、広告やデジタルメディア、PR、消費トレンドといった分野の注目点を挙げ、展望を占う6本の記事を特集する。
シェアスルーの高広伯彦氏は、先般のメディア関連のスキャンダルが及ぼす影響を指摘、厳格さと透明性が今後より一層増すことへの期待を語る。トレードデスクの新谷哲也氏は、最近スタートした一連の新サービスが、テレビやオーディオメディアをいま一度活性化すると予測。コーモラント・グループのバリー・ラスティグ氏は、広告代理店の「プロフェッショナルたち」に難題と向き合うよう促す。ブルーカレント・ジャパンの本田哲也氏は、変わりゆく社会的価値観がブランドにとって何を意味するかを分析。オグルヴィの平野美弥子氏は、企業文化の改革の必要性を訴える。そしてアクセンチュアの黒川順一郎氏は、デジタル化がもたらす「競争の場」の変革が、多くのマーケターにとってついていけないほどの速さで起きつつあることを再認識させてくれる。
多岐にわたる内容だが、ブランドとしての可能性を最大限に生かし、消費者と密に関わり続けるためには、マネージメントを担う人々にとってどれも入念に検討すべき題材となろう。率直に言って、消費者は常にマーケティング業界の少なくとも一歩先を行くのだから。
未来を予測することは不可能だ。だが確実に言えるのは、世界、そしてマーケティングのビジネスはますます複雑化していくということ。Campaignは今年も業界の良い刺激となり、新しい思考を促す媒体であり続けたいと願っている。そして課題と希望に満ちた、我々を取り巻くこの世界を紐解く一助となれれば幸いだ。最後に、2017年が読者の皆様にとって大きな飛躍の年となるよう、心からお祈り申し上げる。
それでは、コメンテーターの皆様にご登場願おう。
(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳:鎌田文子 編集:水野龍哉)