David Blecken
2017年2月24日

空飛ぶ「雪丸」で町のブランディングに新境地

奈良県王寺町は、犬型ドローンで町の魅力を紹介する。

町おこしの定番といえばゆるキャラだが、その数の多さから区別しづらく、最近はブームも落ち着きを見せている。だが、王寺町の「雪丸」は別格だ。

ソフトバンクのお父さん犬に似た白い犬「雪丸」は、聖徳太子の愛犬だ。ドローンになった雪丸は動画の中で、達磨寺での座禅体験や火幡神社、恋人たちの悠久の鐘、明神山の絶景パノラマなど、王寺町の見所を空から紹介していく。

動画は、本物のドローンの実写である。しかし、地元のショッピングセンターでの写真撮影会に大きな着ぐるみで登場しなければならないというのが、ゆるキャラが背負う宿命なのだ。(写真は雪丸のFacebookページより)

Campaignの視点:
空飛ぶ仔犬の可愛さは、何ともあらがい難い。このプロモーションが、よくある田舎町といった風情の王寺町に人を呼び込むことができるのかは、今のところは未知数だ。しかし雪丸は、他の飛べないキャラクターたちの中で異彩を放ち、見る者の目を引き付ける。残念なのは、ユーチューブで動画へのコメントを受け付けていないことだ。オンライン動画の時代の波に乗ろうと考えているのであれば再検討するよう、作品に携わった方々にお勧めしたい。

提供:
Campaign Japan

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