そのコーヒー、本当に砂糖を3つも入れる必要があるだろうか? 中国のカフェブランド「Xin Café(シン・カフェ)」によれば、答えはノーだ。このカフェは、「甘い」音を聞くことで実際に甘味を感じることができると提案している。
Xin Caféは北京電通と共に、「ソニックスイートナー」を開発。甘さを感じやすくするメロディーがタンブラーから流れ、聴きながら飲むことで砂糖の摂取量を減らせるという。
「音の調味料」は、近年注目を集めているコンセプトだ。音の高さや楽器の音によって、4つの基本味の感じ方に影響があるとの研究結果もある。
中国の砂糖の消費量は、まだ比較的少ない方だ。国際市場調査会社ユーロモニターの2015年のデータによると、平均的な中国人の砂糖摂取量は、1日あたり16グラム未満だという。一方の米国は126グラムと桁違いだ(ちなみに世界保健機構の推奨する摂取量は、1日あたり50グラム)。しかし食習慣の変化に伴い、中国は2020年までに世界最大の砂糖輸入国になると予測されている。
Campaignの視点:
信じられないかもしれないが、このデバイスには科学的な裏付けがある。また、それほど知名度の高くないブランドが独自性を打ち出す方法としても、興味深い。私たちは、聴覚に頼るにせよ他の知覚を駆使するにせよ、何も足さずにコーヒーや紅茶そのものの味わいを楽しむよう努めるべきではないだろうか。それでも我慢がどうしても難しいならば、この「音の甘味料」を試す価値はありそうだ。米国の消費者にとっては、今すぐにでも必要なものかもしれない。
(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳:鎌田文子 編集:田崎亮子)