Tetsuya Shintani
2017年1月03日

デジタルプランナー/マーケターが注目すべき3つのポイント

インターネット広告の発展を予感させる基盤が整い、2017年は広告や掲載メディア、プランニング、効果測定などあらゆる面において、質がより一層重要視されるだろう。

新谷哲也氏
新谷哲也氏

日本のインターネット広告業界において2016年は、AbemaTVやSpotify、Radikoのシェアラジオなど新しいサービスがローンチ。動画広告ではアウトストリーム動画の市場がようやく立ち上がりの兆しを見せ、今後の業界の発展を期待させる1年になりました。
本稿ではこれらを踏まえ、2017年に注目されるであろう(すべきであろう)3つのポイントを挙げていきます。

1. ビューアビリティーとアドクオリティー
ビューアビリティー(視認性)とアドクオリティー(広告が掲載されるメディアの質)についてはすでに議論されていることですが、より重要視されていくでしょう。動画広告の立ち上がりと音声広告の始まりにより、広告はリッチになっていく傾向にあり、これらの広告を利用した認知獲得や態度変容を求めるキャンペーンの増加が見込まれます。したがってビューアビリティーとアドクオリティーをより重視したキャンペーンプランニングが必要になってくるでしょう。

2. オムニチャネル
AbemaTVやTVerの動画広告、SpotifyやRadikoの音声広告、従来のディスプレイ広告をバラバラにプランニングし、それぞれの効果をクリックコンバージョン偏重型で効果検証していくのではなく、統合的にプランニングや効果測定していく仕組みと体制が必要となっていきます。

3. クロスデバイス
いくつかのデータベンダーが、来年度の日本市場への本格参入を予定しています。日本国内においてクロスデバイスデータを利用したキャンペーン評価は、現在Googleからのみ提供されていますが、データベンダーの参入により多くのDSPがデータを導入することになります。クロスデバイスデータは、オムニチャネルでのキャンペーン実施と効果測定を助け、これまでのクリックコンバージョン偏重型のキャンペーンプランニングや効果測定から視点を変える、良いきっかけとなるでしょう。

(文:新谷哲也 編集:田崎亮子)

新谷哲也氏は、米国のDSP大手「The Trade Desk」の日本におけるカントリーマネジャー。

提供:
Campaign Japan

フォローする

トップ記事と新しいキャンペーン情報

速報メールを受け取る

関連する記事

併せて読みたい

3 日前

世界マーケティング短信:WPPのCEOがディープフェイクの標的に

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

4 日前

パワーリスト2024:「APACベストマーケター50」に選ばれた日本人

Campaign Asia-Pacificが毎年、アジア太平洋地域(APAC)の傑出したマーケターを選ぶ「パワーリスト(Power List)」。今年は日本から5名が選出された。

4 日前

パワーリスト2024:足立光 (ファミリーマート)

足立氏は、ファミリーマートで季節ごとのキャンペーンを主導。ブランド史上最高益を達成した。

4 日前

パワーリスト2024:岡部義昭 (資生堂)

テクノロジーとマーケティングを融合させる岡部氏は、パーソナライゼーションと消費者エンゲージメントに焦点を当てた資生堂のイノベーションを牽引している。