Ryoko Tasaki
2025年5月09日

世界マーケティング短信: GroupM、「WPPメディア」に改称へ

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

世界マーケティング短信: GroupM、「WPPメディア」に改称へ

※記事内のリンクは、英語サイトも含みます。

WPP、組織再編の一環としてGroupMをリブランド

WPPのメディア事業のブランド「グループエム(GroupM)」が今後数カ月以内に廃止され、「WPPメディア(WPP Media)に変更される予定だという。同社の広報担当者はCampaignに対し、「推測についてはコメントしない」と回答している。

グループエム傘下のエージェンシーにはマインドシェア(Mindshare)、ウェーブメーカー(Wavemaker)、エッセンス・メディアコム(EssenceMediacom)などがある。組織構造の簡素化は、WPPのマーク・リードCEOが2018年に就任以来掲げてきた目標の一つだ。

昨年9月にグループエムのグローバルCEOに就任したブライアン・レッサー氏は簡素化を加速させており、今年1月にはマインドシェア、エッセンス・メディアコム、ウェーブメーカーのCEO職を廃止。エッセンス・メディアコムのニック・ローソン氏フランシス・ラルストン・グッド氏、グループエムのEMEA担当CEOジョシュ・クリチェフスキー氏などが去った。

1月の決算発表でレッサー氏は「私たちはもっとシンプルになる必要があり、やるべきことがまだ多くあります」と発言。さらに「顧客やパートナーに対してワンボイスで対応できる統一された企業となるため、組織構造をさらに簡素化していきます」と語っていた。

ピュブリシスに関龍太郎氏と間部奈帆氏が参画

ピュブリシス・グループ・ジャパンのエグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターに関龍太郎氏、グループ・クリエイティブ・ディレクターに間部奈帆氏が就任する。

関氏は電通で20年以上経験を積み、タイでエグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターを務めた。その後グーグルに移り、クリエイティブディレクターとして活躍。ビジネスのデジタルイノベーションのためのテクノロジープラットフォーム開発や、最先端の技術を用いたコミュニケーション戦略を担当した。

一方、間部氏は博報堂で20年以上にわたり勤務し、グローバル・クリエイティブ・ディレクターとして活躍。One Show、ロンドン国際広告賞などを受賞している。

 

ザッカーバーグ氏「AIが広告というカテゴリーを再定義」

メタ(Meta)のマーク・ザッカーバーグCEOは、同社のプラットフォームが「究極のビジネスエージェント」となり、AIを駆使してクライアントの目標達成に直接関わっていく構想を明らかにした。

ポッドキャスト「ストラテチェリー(Stratechery)」に出演したザッカーバーグ氏は「企業が私たちのところに来て、目標を伝え、銀行口座と連携するだけで、クリエイティブもターゲット層も測定も必要なく、私たちが出すデータを読み取れれば済むようになるでしょう」と語った。

ターゲティングやクリエイティブを細かく設定することは可能だ。しかし「クライアントの製品に共感してくれる人を見つけるのが、私たちの得意分野」、また「制作する作品数が多いほど、より良い作品が生まれます。それをテストすれば、何がうまくいくかを見極めることができるからです」と、同社のアルゴリズムを推奨。そして、AIの活用が「広告というカテゴリーの再定義になる」と述べた。

F1レースにレゴの実物大マシンが登場

F1世界選手権マイアミ・グランプリの決勝レース直前に行われるドライバーズパレードに、レゴ(Lego)の実物大のF1カー10台が登場した。10チームのマシンをレゴブロックで再現した車両に、20人のドライバーが乗り込み、観客の前に姿を見せた。

レゴとF1は昨年、複数年にわたるパートナーシップを締結しており、今回のアクティベーションはその一環。コンテンツ制作はレゴ社内のエージェンシー「Ola(Our Lego Agency)」が手掛けた。40万個以上のブロックからなる車両は、チェコにある工場で26人のスタッフが22,000時間をかけて製作。1台あたり1,500kgと重く、時速約20キロで走行できる。

F1の最高商務責任者であるエミリー・プレイザー氏は「レゴグループとのパートナーシップにより、グランプリ体験に多くの楽しみを注入でき、多くの新しい観客を魅了することができます。一緒にどのようなことを創作していけるか、楽しみでなりません」とコメントした。

またレゴグループの最高製品・マーケティング責任者のジュリア・ゴールディン氏は「大型で走行可能な作品に、ファンは喜んでくれると思っていました。10台を一挙公開できたことを大変嬉しく思います」と語る。「これらの作品が、想像力とレゴブロックがあれば何でも可能だと皆さんが気付くきっかけになれればと願っています」。

(文:田崎亮子)
 

提供:
Campaign Japan

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