Misaki Tsuchiyama
2016年9月13日

プリウス、水曜日のカンパネラと試乗MVを制作

話題のアーティストと商品をお題にしたコラボレーションを、コンテンツとして成立させるのは難しい。企業×アーティストのコラボレーションコンテンツとして、ファンも楽しめるこの試乗MVは、羨ましい事例である。

アーティストの持ち味であるキャッチーなサウンドと、未来的な映像が印象的なこのMV には、頻繁に商品とのリンクが登場する。それのそのはず、「水曜日のカンパネラ」は実際にプリウスに試乗し、「松尾芭蕉なら旅にプリウスを選んでいただろう」というコンセプト、自動車工場を思わせるセット、プリウスの部品名を散りばめた歌詞、車内の静かさを表現した水に漂うシーンなど、すべて試乗体験に基づいて制作されている。

ロッテとの「プリウス試乗味ガム」、ブルーボトルコーヒーとの「プリウス試乗味コーヒー」と意外なコラボレーションを展開してきたこのキャンペーン。この試乗MVでは、車の購入に興味が薄いと言われている、若い世代に、YouTubeを通して、プリウスの試乗を周知できる点が魅力。

Campaignの視点:フォーマット化されやすい試乗コンテンツを、ユニークなコラボレーションという切り口で展開しているのが、興味深い。ブランドとポップカルチャーをうまく橋渡し、双方にとって魅力的なコンテンツとして昇華している点が新鮮。

(文:土山美咲)

提供:
Campaign Japan

関連する記事

併せて読みたい

1 日前

世界マーケティング短信:ネットフリックスのワーナー買収にパラマウントが対抗

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

2 日前

オムニコムとIPGの統合について、クライアントが問うべきこと

エージェンシーの統合がクライアントに及ぼす影響について、今こそ直接質問して明確にすべきだ。質問しなければ推測に頼ることになり、この状況下での推測は高い代償を伴う。

3 日前

サントリー「-196」 CFが明かすブランド名の由来

いつも「やり過ぎ」に映る日本の広告。電車やコンビニで巨大なレモンが爆発するこの広告は、その極みだろうか……。

2025年12月05日

世界マーケティング短信:オムニコムの新体制が明らかに

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。