David Blecken Ryoko Tasaki
2017年9月05日

資生堂「WASO」が描く、等身大の美しさ

化粧品大手が、ミレニアル世代をターゲットとした新ブランドを展開。最新の動画では、リアルな日常がシンプルかつピュアに描かれる。

資生堂は、ミレニアル世代をターゲットにグローバルで展開する新ブランド「WASO(ワソウ)」のプロモーションフィルムとして、新たに2本の動画を公開した。

「On The Road」篇を撮影したのは、アーティストやスケートボーダーとしても活躍する映像作家、ジュリアン・クリンスウィックス。同氏がガールフレンドのイーリーと共に登場する作品と、スタイリストのジェニー・チョイを起用した作品とがある。

のびのびと過ごす若者の日常という文脈の中で、商品を訴求しているこの動画は、ローンチキャンペーンを手掛けたワイデン+ケネディがディレクションを担当。また、自然素材を生かした商品であることも、さりげなく伝えている。

Campaignの視点:
他の化粧品メーカーではなかなか見ることのできない優雅さは、ローンチ当初に述べたとおり。少し褪せたような色彩と音楽が、まるで夢を見ているかのような雰囲気を醸し出しており、日常生活をそのまま切り取ったかのようだ。美容関連の広告にありがちな、完璧すぎる美しさとは一線を画した作品となっている。
ただし、スマートフォンでの視聴が中心となるミレニアル世代にとって、2分間というのは長尺。抑揚を抑えた動画を、はたして最後まで集中して視聴してもらえるかどうかは不明だ。

(文:デイビッド・ブレッケン、田崎亮子)

提供:
Campaign Japan

関連する記事

併せて読みたい

1 日前

世界マーケティング短信:Cookie廃止の延期、テスラの人員削減

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

2 日前

大阪・関西万博 日本との関係拡大・強化の好機に

大阪・関西万博の開幕まで1年弱。日本国内では依然、開催の是非について賛否両論が喧しい。それでも「参加は国や企業にとって大きな好機」 −− エデルマン・ジャパン社長がその理由を綴る。

3 日前

エージェンシー・レポートカード2023:カラ

改善の兆しはみられたものの、親会社の組織再編の影響によって、2023年は難しい舵取りを迫られたカラ(Carat)。不安定な状況に直面しつつも、成長を維持した。

4 日前

私たちは皆、持続可能性を前進させる責任を負っている

持続可能性における広告の重要性について記した書籍の共著者マット・ボーン氏とセバスチャン・マンデン氏は2024年のアースデイに先立ち、立ち止まっている場合ではないと警告する。