Matthew Miller
2018年10月31日

マレンロウ、データ主導型のエクスペリエンス提供へ

日本やアジア太平洋地域のクライアントに対して素早く成果を出していくため、マレンロウ・プロフェーロ内に新部門が設立された。

ゼリア・ザキ氏
ゼリア・ザキ氏

マレンロウ・グループ・ジャパンはマレンロウ・プロフェーロ内に、エクスペリエンスデザイン部門を設立した。この部門ではデータ主導型アプローチを、日本やアジア太平洋地域のブランドのエクスペリエンスデザインに取り入れていく。

同社によると、同部門はより早く市場に届く使いやすい商品・サービスを開発し、コンセプト段階からインサイトやデータを集めることに注力していく。

部門を率いるのは、マレンロウ・プロフェーロ・ジャパンのヘッド・オブ・エクスペリエンスに就任したゼリア・サキ氏。同氏はストックホルムのモビエント社(本拠地ストックホルム、2015年にデロイトデジタルが買収)で、クリエイティブならびにデザイン部門を率いた経験を持つ。

「日本ならびにアジア太平洋地域のブランドは、巨大な“メガプロジェクト”を意識的に避けており、共通のエクスペリエンス戦略に基づいた小規模なプロジェクトを複数実施する傾向にあります」とサキ氏。「そのため私たちは、スリムなデータ主導型アプローチを開発しました。文化ごとのニュアンスや文脈を考慮し、それぞれに合わせたエクスペリエンスプロセスを提供していきます」

藤田薫氏


サキ氏と共に取り組むのは、UX(顧客体験)ディレクターの藤田薫氏。都内のデータサイエンス・解析チームや、シドニーのUXチームと協働し、デザインが絶えず進化していく「エボリューショナリーデザイン」モデルを構築してきた。

「データサイエンスや解析によって、消費者の行動セグメントの根本となるものを特定できます。これをもとに、シドニーのチームへのUXブリーフを作成し、カスタマープラットフォームの改善策を考案するのです」と藤田氏。

日本のクライアントは、データに裏打ちされた「迅速で明らかな成果」を求めている、と藤田氏は付け加えた。

(翻訳・編集:田崎亮子)

関連する記事

併せて読みたい

3 日前

世界マーケティング短信:Cookie廃止の延期、テスラの人員削減

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

4 日前

大阪・関西万博 日本との関係拡大・強化の好機に

大阪・関西万博の開幕まで1年弱。日本国内では依然、開催の是非について賛否両論が喧しい。それでも「参加は国や企業にとって大きな好機」 −− エデルマン・ジャパン社長がその理由を綴る。

2024年4月23日

エージェンシー・レポートカード2023:カラ

改善の兆しはみられたものの、親会社の組織再編の影響によって、2023年は難しい舵取りを迫られたカラ(Carat)。不安定な状況に直面しつつも、成長を維持した。

2024年4月23日

私たちは皆、持続可能性を前進させる責任を負っている

持続可能性における広告の重要性について記した書籍の共著者マット・ボーン氏とセバスチャン・マンデン氏は2024年のアースデイに先立ち、立ち止まっている場合ではないと警告する。