Ryoko Tasaki
2017年10月24日

検索ワードから読み解く、日本のハロウィン

日本でもすっかり浸透したかのように見える、10月末のイベント「ハロウィン」。検索ワードを分析すると、日本ならではの捉え方や人々の関心が浮き彫りになる。

昨年の渋谷でのハロウィンの模様(写真:片岡航希 / 読売新聞 写真提供:AFP)
昨年の渋谷でのハロウィンの模様(写真:片岡航希 / 読売新聞 写真提供:AFP)

夏が終わると店先には仮装用の衣装や、カボチャのジャック・オ・ランタンを模したお菓子、デコレーショングッズが並び、日本でもすっかり市民権を得たハロウィン。グーグルによると、ここ数年で「ハロウィン」というワードの検索数はグーグル、ユーチューブ共に増加しているという。

興味深いのが、「ハロウィン」と一緒に検索されるキーワード(以下の図)だ。学校や職場で仮装したり、お菓子をもらいに子どもたちが近所を練り歩くなど、一大イベントとして定着している米国では、衣装関連(専門店の名前や仮装のアイデアなど)や、ジャック・オ・ランタンのアイデアなどといったキーワードが上位を占める。

一方で日本では、テーマパークやイベント、地名などのキーワードが多い。これは日本におけるハロウィンが、イベントに出掛けていく意味合いが強いことを象徴している。また、ハロウィンの日時や、「トリック・オア・トリート」というセリフの意味を調べるワードもランクイン。知名度が上がったハロウィンだが、行事の由来や意味はまだよく知られていないことを物語っている。

出典:Googleデータ


なお、グーグルによると「ハウツーを調べる際にユーチューブを検索する人が増えている」とのことだが、ハロウィンについても同様の傾向が見られる。ハロウィンのメイクアップや衣装、お菓子の作り方を調べるのにあたって、動画は画像やテキストよりも手順が分かりやすく、イメージをつかみやすい。衣装やパーティーで趣向を凝らす人が増えるほどに、ハウツーものの動画は今後ニーズが高まっていくと考えられる。

(文:田崎亮子)

提供:
Campaign Japan

関連する記事

併せて読みたい

23 時間前

クリエイティブマインド : メリッサ・ボイ(MRMジャパン)

気鋭のクリエイターの実像に迫るシリーズ、「クリエイティブマインド」。今回ご紹介するのはMRMジャパンのシニアアートディレクター、メリッサ・ボイ氏だ。

23 時間前

世界マーケティング短信: TikTok米事業、売却か撤退か?

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

1 日前

ブランドがパロディー動画に乗り出す理由

エンターテインメント要素のあるストーリーテリングは、消費者からの注目を集めると同時に、ブランドに創造的な自由を与える。

1 日前

生成AIは、eメールによるカスタマーサポートをどのように変えるか

従来のチケット管理システムでは、現代の顧客からの期待に応えられない。企業はAIを活用してeメール戦略を洗練させ、シームレスな顧客体験を提供する必要があると、イエロー・ドット・エーアイ(Yellow.ai)のラシッド・カーン氏は主張する。