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2018年6月08日

世界マーケティング短信:アジアで一番人気のブランドとは

今週も、世界のマーケティング界から注目のニュースをお届けする。

世界マーケティング短信:アジアで一番人気のブランドとは

アジアのトップブランドは、予想通りサムスン

Campaignが実施した消費者意識調査「アジアのトップ1000ブランド」で、サムスンが7年連続の1位に輝いた。同社は日本市場ではまったく存在感がなく、その人気を推し量るのは難しいだろう。今回のランキングでは、サムスンよりも更にイノベイティブで刺激的なブランドも名を連ねた。だがやはり成功を左右するのはビジネス規模や小売市場での存在感、商品価格のようだ。今年の大きな特徴は中国ブランドの躍進。Xiaomi(シャオミ)やOPPO(オッポ)といった、より低価格のスマートフォンブランドが若い消費者層で人気を広げつつあることが分かった。これらのブランドがはじめて携帯を購入する消費者層を取り込むようになれば、サムスンにとっては深刻で長期的な課題になろう。

日本のブランドでトップになったのはパナソニック。昨年から順位を2つ上げて3位になり、4位のソニーに取って代わった。アップルは2位のままで、グーグルがトップ10入りを果たし7位に。そのトップ10で、最も意外だったブランドはフィリップス。昨年の20位から順位を大きく上げ、10位となった。日本市場のブランドランキングは今月後半に発表される。

オグルヴィが社名とロゴを刷新、組織構造も抜本的に変える

オグルヴィ・アンド・メイザー(WPPグループ)は、社名から「&メイザー」を消して正式名称を「オグルヴィ」に改め、新しいロゴも発表。だがそれよりも興味深いのは、同社が縦割り組織の壁を取り払うことだ。広告、PR、顧客エンゲージメントをそれぞれ専門とするエージェンシーはなくなり、単体の企業、一つの決算単位となる。これらのサービスや事業変革コンサルティング業は継続していくが、もっと緊密な連携のとれた形になることが期待される。ジョン・サイファートCEOによると、今回の組織構造の簡素化により「業界内に新しいモデルを構築するだろう」とのこと。広告大手の多くで組織が肥大化し、一貫性を欠いてしまっている現状を鑑みれば、これは正しい認識ではないだろうか。


ウーバー、今年の広告費は5億ドルの見込み

テック業界紙「ザ・インフォメーション(The Information)」によると、ここ最近数々のスキャンダルを起こしたウーバーが信用回復を目指し、同社初のグローバルキャンペーンを展開する。昨年同社CEOに就任したダラ・コスロシャヒ氏は今をポジショニング見直しの好機と見、これまでとは異なる慎重な路線を打ち出している。日本では今夏から淡路島でタクシーの配車実験を行う予定で、小規模なビジネスでも地盤固めを優先。日本でのタクシー配車サービス市場は次第に競争が激化しており、ソニーや滴滴(ディディ、DiDi)も参入を表明している。

広告業の「頭痛の種」をまとめた本が発売される

広告費の透明性、リベート、賃金カット、ステークホルダーとの信頼関係の欠如など、広告ビジネスが世界的に直面しているさまざまな課題を取り上げたケン・オーレッタ氏の著書『フレネミーズ』(“Frenemies”、未邦訳)が今週発売になった。読んで不愉快になることが予想されるが、ひょっとしたら面白い本かもしれない。勉強になる部分もあるだろう。この本によって、直接的には何も変わらないかもしれない。だが自分たち自身を批判的に見つめ直すよう促してくれ、一歩前進するきっかけになるだろう。

エージェンシーのクリエイティブは何を心配すべきか

人工知能(AI)を用いたプラットフォーム「マルセル(Marcel)」を披露し、オペレーティングシステムを一新したピュブリシスのアーサー・サドーンCEO。発表後には、「最終的にマルセルは人間の仕事を奪ってしまうのか」と質問を浴びた。SF小説の中の滅びゆく人類文明のごとく、エージェンシーのクリエイティブはAIに取って代わられるのではと戦々恐々。それでも一部のクリエイティブにとっては突飛すぎる発想で、滑稽ですらあるだろう。そんな彼らが本当に心配するのは、クライアントが社内(インハウス)でのクリエイティブを増やしていることだ。

今週、ピボタル・リサーチのブライアン・ウィーザー氏がクライアントに送ったメールでは、クライアントがインハウスでメディアバイイングを行うことには気を留めていないものの、クリエイティブを行うのは「エージェンシーにとって大きな障害」と言及。ドロガ・ファイブのビル・スコット氏のような業界著名人は、クリエイティブがインハウスに移っても「エージェンシーはクライアントをサポートする重要な戦略的役割がある」と主張する。

確かに、そうなのかもしれない。だが、厄介な問題は景気だ。人々が何と言おうと企業がインハウスにクリエイティブを移す主な理由は、それが必要なことであり、ずっと安上がりだからだ。インハウスの人材が増えるということは、たとえエージェンシーがサポートやコンサルティングを担っても、受け取る報酬が少なくなることに他ならない。

まだこれに関連する記事をご覧になっていない方は:

データビジネスを疎むWPPの投資家たち

提供:
Campaign Japan

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