
※記事内のリンクは、英語サイトも含みます。
カンヌライオンズ、エントリー数は昨年から微増
世界最大級の広告賞「カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル2025」が16日に開幕した。
今年の応募総数は26,900件で、前年(26,753件)よりわずかに増え、特にGlass: The Lion For Change部門の応募作品数は前年比53%増、戦略系カテゴリー(Creative Strategy部門、Creative Effectiveness部門)は10%増、デザインが戦略や行動に及ぼす影響を反映するよう変更されたDesign部門は17%増加した。
Creative B2Bが13%増、Entertainment Lions for Sportが15%増だったことについて、カンヌライオンズのCEOであるサイモン・クック氏は「パフォーマンス重視やファン主導型といった分野で、クリエイティビティーにますます重きが置かれていることを反映したもの」と語る。
中南米からの応募が16%増えた他、独立系エージェンシーからの応募は18%増加した。「96市場からの応募があり、特に中南米からの応募が大幅に増えたことから、世界中から画期的なアイデアが寄せられることを期待しています」(クック氏)。
カンヌライオンズ、日本勢の受賞作品
カンヌライオンズで3日目(6月18日)までに発表された日本勢の受賞作品は以下の通り。また、アジア太平洋地域の受賞作品はこちら(英語)。
【Creative Data部門】
●ゴールド:あすには「#2531佐藤さん問題」(電通デジタル)
【Design部門】
●ブロンズ:グーグル「Project VOICE」(グーグル)
【Digital Craft部門】
●ブロンズ:NTT人間情報研究所「Interface of Humanity」(電通)
【Entertainment for Gaming部門】
●シルバー:プレイステーション「Project: Memory Card」(SIX、博報堂)
【Health and Wellness部門】
●ブロンズ:NTT人間情報研究所「Interface of Humanity」(電通)
●ブロンズ:日本視覚障害者柔道連盟「Visiongram」(電通)
【Industry Craft部門】
●ゴールド:ニッカウヰスキー「No Labels」(電通)
【PR部門】
●シルバー、ブロンズ:あすには「#2531佐藤さん問題」(電通デジタル)
オムニコム、クレメンガーを完全子会社化へ
オムニコム・グループ(Omnicom Group)が、クレメンガー・グループ(Clemenger Group)への出資比率を86.84%から引き上げて完全子会社化する計画だ。今月末に予定されている株主総会で、株主投票を行う予定。
クレメンガー・グループは豪州とニュージーランドを拠点とするマーケティング&コミュニケーション大手で、オムニコム傘下のBBDOワールドワイド(BBDO Worldwide)が1972年に35%の株式を取得。2011年にはその比率が74%になり、その後86.84%へと引き上げられた。
オムニコムはまた、オセアニア地域でオムニコム・メディア・グループ(Omnicom Media Group)とオムニコム・アドバタイジング・グループ(Omnicom Advertising Group)の統合を進めて地域経営体制を立ち上げ、ニック・ギャレット氏が指揮を執る予定だ。
ギャレット氏はクレメンガーBBDO(Clemenger BBDO)やコレンソBBDO(Colenso BBDO)のCEOを経て、現在はデロイト・デジタル(Deloitte Digital)でマーケティング&コマースを率いる。なお、クレメンガーの会長を長く務めたロバート・モーガン氏は退任することが今月初めに発表されていた。
WPPメディア、APMEA地域経営体制と新リーダーを発表
5月に名称を変更したWPPメディア(WPP Media)が、メディア事業のさらなる合理化を目指して、新たにアジア太平洋・中東・アフリカ(APMEA)地域モデルを採用し、6つのサブ地域に分割する。サブ地域を率いるのは、以下の通り。
【豪州・ニュージーランド】 エイミー・ブキャナン氏
【中国】 ルパート・マクペトリー氏
【インド・スリランカ】 プラサント・クマール氏
【中東・北アフリカ】 アメール・エル・ハッジ氏
【北東アジア(日本・韓国・香港)】マイケル・ビークロフト氏
【東南アジア・パキスタン、南アフリカ、台湾)】 ヘレン・マクレー氏
また、今回の組織再編に伴い、APMEAの最高戦略&事業成長責任者としてジョシュ・ギャラハー氏、最高顧客責任者にはシンドゥージャ・ライ氏が任命された。
【お知らせ】
今年で32年目を迎えるCampaign主催「エージェンシー・オブ・ザ・イヤー2025」のエントリー受付を開始しました。今年は「AIアドキャンペーン・オブ・ザ・イヤー」と「AIパーソン/チーム・オブ・ザ・イヤー」の2部門も新設。早期エントリー締切は7月7日、通常エントリー締切は8月5日、詳細はこちら(英語)をご確認ください。
(文:田崎亮子)