David Blecken
2017年10月06日

世界マーケティング短信:苦悩するWPPと告発されたインフルエンサー

世界のマーケティング界、今週の注目ニュースを5本まとめてお届けする。

ジョナサン・ミルデンホール氏
ジョナサン・ミルデンホール氏

1. WPP、不運の1週間

世界最大の広告代理店へのプレッシャーが増している。既に報じたように、現在WPPはADK株を失う危機に直面している。もしそうなれば、傘下エージェンシーの日本でのメディアバイイングが不利になることは必至。それに加え、今週モルガン・スタンレーが保有するWPP株、2250万株を売りに出した。同社アナリストはWPPの評価を下げ、「第3四半期はWPPにとって厳しいものになる」と予測している。

2. アクセンチュアの最優先事項は、マーケティングサービスの拡大

アクセンチュアのピエール・ナンテルム会長兼CEOは投資家向けの収支報告で、「来年スタートできそうな次世代型のマーケティングサービスに心を躍らせている」と語った。同氏はアクセンチュア・インタラクティブを「グループにとって最もエキサイティングな領域」と評し、「インテリジェント・マーケティングサービスを導入して活動をステップアップさせる」と言明。AI(人工知能)やマシンラーニング(機械学習)、仮想現実、拡張現実、データ主導の運営を「2018年に注力する主要な分野」とした。

3. 透明性の欠如でインフルエンサーを告発

米連邦取引委員会(FTC)は、ソーシャルメディアのインフルエンサーに対して初の法的措置を講じた。ギャンブル・サービス「CSGOLotte.com」の創設者が、サイトの所有者を開示せずにソーシャルメディア上でプロモーションをしていた疑い。それとは別に、ナオミ・キャンベルやリンジー・ローハンといった多くの“セレブリティー・インフルエンサー”たちにも、ブランドとの関係性をFTCに報告するよう警告した。日本では最近、人気ユーチューバーのヒカルを巡るトラブルが話題になったばかり。

4. アップル、アマゾン、マイクロソフト、そしてスナップチャットを一斉に脅かすグーグル

グーグルが様々な新製品を一斉に発表した。その内訳は、2種類のグーグルホーム製品とスマートフォン、40カ国語をリアルタイムで翻訳するスマートイヤフォン、スマートペン、ノートパソコン、拡張現実デバイス、カメラといった品々で、全てAI(人工知能)を搭載している。発表会では、グーグルの幹部がライバル企業の製品の欠点を堂々と指摘。AIの優位性を巡る闘いは、まさに始まったばかりだ。

5. 進歩的企業でも、CMOの在任期間はいまだ短し

世界で最も注目を集めるマーケターの1人、ジョナサン・ミルデンホール氏がAirbnbのCMO(最高マーケティング責任者)を辞職した。在任期間は3年だった。このニュースを報道したウォール・ストリート・ジャーナルに対し、「Airbnbではこれまでのキャリアで最も素晴らしい仕事ができたが、いよいよ自分自身のコンサルティング会社を始めたい気持ちにかられた」とコメント。コカ・コーラのマーケティング責任者も務め、Airbnbでは“Live there”のキャンペーンをスタート、最近ではワイデン・アンド・ケネディーを同社の主要広告代理店として指名するなど、同氏はこれまで数々の実績で評価を得てきた。

(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:水野龍哉)

提供:
Campaign Japan

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