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将来に悲観的な意見が大半、社会の分断も広がる エデルマン調べ
エデルマンの信頼度調査「トラストバロメーター2023」によると、「今後5年間で家族の暮らしは良くなる」と予測しているのはグローバルで40%(10ポイント減)で、中国(1ポイント増)を除くすべての国で減少し、調査対象国の約半数では2桁減となった。最も悲観的だったのは日本(9%)で、フランス(12%)、ドイツ(15%)、イタリア(18%)、オランダ(19%)、英国(23%)など欧州の国々が後に続く。
組織に対する信頼度(グローバル)は、企業(62%)が政府(51%)を大きく上回る。所得による格差が顕著で、米国では高所得者層の63%が組織(NGO、企業、政府、メディア)を信頼しているのに対し低所得者層では40%、日本でも高所得者層で48%に対し低所得者層では29%だった。格差が広がっていると過半数が回答した国は、26カ国のうち15カ国に上る。アルゼンチン、コロンビア、米国、南アフリカ、スペイン、スウェーデンで「深い分断があり、解消できるとは思えない」との回答が特に目立ち、日本もこれに迫る。
アディダスの労働環境改善を訴える、偽のプレスリリース
衣料産業の労働環境改善を目指す国際NGO「クリーンクローズキャンペーン(Clean Clothes Campaign)」は活動家グループ「イエスメン(The Yes Men)」と共に、アディダスから発信されたかのような偽物のプレスリリースを発信した。PRWeekが報じたところによると、少なくとも1つのウェブサイトがこの偽のプレスリリースをもとに記事を公開し、後に削除したという。
その内容は、カンボジアの労働組合のリーダーを共同CEOに任命し、労働者に適正な賃金を支払うことに合意する「Pay Your Workers」に署名すること、そしてカンボジアの労働者が6カ月間着用した後にアップサイクルしたコレクション「リアリティウェア(Realitywear)」を発表したというもの。月曜から開催中のベルリンファッションウィークに合わせ、このコレクションのファッションショーもゲリラ開催した。
アディダスの広報担当者はPRWeekに対し、2021年にサプライヤーの工場監査を実施していることや、そこで働く労働者の可処分所得は最低賃金額よりもはるかに高いこと、25年以上にわたってさまざまな対策を講じてきたことなどを説明した。
今後も同様のキャンペーンが行われる可能性について、イエスメンのマイク・ボナーノ氏はこのようにコメントしている。「他のブランドや企業をターゲットにする予定はありますが、それに値する場合に限ります!」
環境団体、ダボス会議にプライベートジェットで向かう矛盾を突く
スイスのダボスで今週月曜に開幕した世界経済フォーラム年次総会(通称:ダボス会議)には、世界中から国家元首や政治代表、経営者など2,700名以上が集う。今年のテーマは「分断された世界における協力の姿」で、ウクライナ情勢や気候変動など幅広い話題が議論される。
そんなダボスに向けてプライベートジェットで移動する参加者を批判するキャンペーンを、国際環境NGO「グリーンピース(Greenpeace)」が月曜から展開している。「私たちは同じ地球に住んでいるが、同じ世界には住んでいない」というキャッチフレーズが印象的なビジュアルは、TBWAパリがプロボノとして制作した。
同団体がオランダのシンクタンクに委託した調査によると、昨年のダボス会議の期間中に周辺の空港を利用したプライベートジェットは1,040機で、二酸化炭素排出量は通常の4倍に増えたという。
BCWのインペラートCEO、今年中に退任予定
WPP傘下バーソン・コーン&ウルフ(BCW)のグローバルCEOを務めるドナ・インペラート氏が、後任者が任命され次第、今年中に退任する意向を示した。バーソン・マーステラとコーン&ウルフが統合した当時から同社を率いてきた同氏は、BCWのCEO就任前はコーン&ウルフのCEOを15年間務めた。
暮らしの中の課題、解決法は短編動画で探そう ティックトック
ティックトックが、流行りのダンスを投稿するだけの場ではないことを示す動画を、英国で公開した。引越荷物を開梱する父親と、それを手伝う女性が、古いカーペットをきれいにする方法や、フレームを壁に掛けるコツなどを検索し、目の前の課題を次々と解決していく様子が描かれる。企画制作はマザー。
(文:田崎亮子)