Steve Barrett
2023年9月14日

AI、過度の期待の終わり:今は現実を受け入れる時

生成AIに関する(人間たちの)議論は、単なる誇張やプロモーションから、この革命的な技術がもたらす現実的な機会や脅威へと移行している。だがPR担当者はまだそれを完全に把握しきれていない。

AI、過度の期待の終わり:今は現実を受け入れる時

今年はAIの話題でもちきりだった。タイムラインやコンテンツフィードなど、至る所でこのトピックを目にするので、避けることさえ難しい状況だった。

だが、これは単なる誇大宣伝ではない。The Information(IT業界専門誌)が8月29日に配信した記事によると、マイクロソフトが支援するAI専門企業、OpenAIの収益は、今後12ヶ月で10億ドルを越える見込みで、2022年のわずか2800万ドルから大きく成長すると予測されている。

今や人工知能は現実のものとなり、エージェンシーは、生成AIが自社のビジネスや業務にとって、どのような意味を持つのかを理解しつつある。

Axiosの記事によると、コンテンツチェッカー、Originality.AIのデータを調べたところ、世界のトップ1000ウェブサイトのうち5分の1が、AIのデータ収集用クローラーをブロックしていることが判明したという。

検索の黎明期に、グーグルからダメージを受け、ビジネスの大部分を破壊された経験があるため、ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)、CNN、ロイター(Reuters)、アマゾン、Axiosなどのメディア企業は、OpenAIのウェブクローラーの、自社コンテンツへのアクセスをブロックしている。だが、他のほとんどの企業は、商用コンテンツやパートナーコンテンツをボットに公開したいと考えているだろう。

これはメディア企業にとって、ある種のジレンマだ。グーグルが持つコンテンツへの強力な誘導力を彼らは知っている。同時に、かつて検索の巨人によって、彼らのコンテンツがどのように利用され、彼らのビジネスがいかに傷ついたかも、彼らは知っている。今彼らは、このChatGPTの地雷原をいかに安全に進むかを模索する初期の段階にいる。

AP通信はOpenAIと契約を結び、APニュースの記事アーカイブの使用権をChatGPTにライセンスしている。他のメディア企業も類似の提携について協議中だ。

生成AIは、一部のコンテンツには所有権があることをユーザーが認識できないまま、公開データを濫用しており、著作権侵害のリスクが高いことに、皆も気付き始めている。

ほとんどの企業は、自社の機密情報や独占情報が一般ドメインに公開されてしまわないよう、生成AIの実験をするにはクローズドのAI環境に投資する必要があることを認識している。先月(8月31日)の分析記事では、このトピックについてより深く掘り下げている。

私の同僚であり、PRWeekの編集幹部も務めているフランク・ワシュクシュ氏は、先週、コロンビア大学の戦略コミュニケーション大学院プログラムとして実施された、生成AIとPR業界に関する興味深いパネルディスカッションに参加した。

議論されたトピックは、タスクの時間を数時間から数分まで短縮することや、AIが誰かの仕事を奪うのではないかという懸念、企業IP(知的財産)をAIプラットフォームに流すことで、他人に悪用されてしまうリスクに対する従業員の認識不足など、多岐にわたった。

AIツールは非常にパワフルであり、アイデアやコンセプトを迅速かつ効率的にカタチにするのに役立つ。しかし、ときには誤りを犯し、極めて素人っぽい答えを出すこともある。やはり、人の感覚や人による操作は依然として必要不可欠だ。

フランク氏がThe PR Weekポッドキャストの最新エピソードで述べたように、今やAIはすべての宣伝チームとPRエージェンシーの念頭にある。しかし、彼らがそれを完全に把握しきれているかどうかは、かなり怪しい。

変わらなければならないだろう。

それも、今すぐに。

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