David Blecken
2016年6月29日

カンヌ フィルム部門の審査員へ3つの質問

今年のカンヌライオンズに、フィルム部門の審査員として日本から参加した、電通のクリエーティブディレクター細川美和子氏に、今年の作品について聞く。

「ACT OF LOVE」
「ACT OF LOVE」

特に印象に残った作品は?

グランプリの「Shoplifters(万引き犯)」。防犯カメラを使った新しいアイデア、百貨店がこれをやる勇気、低予算ながらセンス抜群の仕上がり、リワードアプリ(ポイント交換型アプリ)への鮮やかな落とし込み、すべてが「やられた!」と思いました。

日本からのエントリーではサガミオリジナルの「ACT OF LOVE~愛は、行動するもの。」が好きでした。コンドームのフィルムは面白い名作が多いですが、まったく違うアプローチをしていたので…。コンドームのイメージをグレードアップする、素晴らしいフィルムだと思いました。


審査した作品には、どのような傾向が見られましたか?

テレビCMやオンラインムービーの境がどんどんボーダレスになっていて、かなりの水準でエンターテインメント性の高いものが生き残るように思えました。
最初の短い尺で引き込めるかどうか。最後まで興味を引きつけられるかどうか。広告としてのフィルムが培ってきた能力が、ますます求められるようになっています。


あまり好きではなかった作品や、改善の余地があると感じたことは?

すごい人生を送った人の一生を振り返る、想いをモノローグで物語る、これからの決意で締めくくる――。そんな似たような構成のフィルムのエントリーが山ほどあったので、見ていて飽きました。登場している人物がすごいのであって、そのブランドがすごい訳ではないとも感じました。それなのに映像自体のクオリティは高かったりもして、そこがまた残念でした。
そういう意味でも痛快だったのは、オールドスパイスの「Whale(クジラ)」。誰かがやっていないことをやるというこのフィルムのメッセージを、自分も肝に銘じました。

(編集:田崎亮子)

提供:
Campaign Japan

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