Ryoko Tasaki
2023年8月07日

一世を風靡した90年代のスターで、ノスタルジーを刺激する保険のCM

男性ボーカルグループのスターを集め、架空のグループを結成。「私の子ども時代のすべてが、一つのステージに!」「アルバムとツアーを実現して」と反響は上々だ。

一世を風靡した90年代のスターで、ノスタルジーを刺激する保険のCM

米国の保険会社CSAAは、1990年代に人気を集めた男性ボーカルグループのメンバーを複数起用し、懐かしさを呼び覚ます動画を公開した。

登場するのは、イン・シンク(NSYNC)のジョーイ・ファトゥーン、ナインティーエイト・ディグリーズ(98 Degrees)のニック・ラシェイ、ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロック(New Kids On The Block)のジョーイ・マッキンタイア、ボーイズ・トゥ・メン(Boyz II Men)のウォンヤ・モリス。4人が「ボーイズ・ノー・モア」という架空のグループを結成したという設定で、SNSの公式アカウントも用意された。クリエイティブを担当したのはデロイト・デジタル。

彼らが歌う「メイク・イット・ライト(Make It Right)」は今回のために書き下ろされた曲で、人生がうまくいかなかったとしても私たちが支える……といった内容の歌詞になっている。楽曲へのリンクサイトには、90年代を彷彿とさせるカセットテープの画像を掲載。また4人は実際にはツアーを開催していないが、ツアーバスの車体が米国内の都市を訪れた。

「新しくてエキサイティングなものを生み出し、視聴者や顧客を驚かせ、喜んでもらうことが目標でした」と語るのは、CSAAのカスタマーエクスペリエンス&マーケティング担当EVPのリンダ・ゴールドスタイン氏。「90年代のボーイズバンドの音楽のオマージュである動画によって、視聴者がかつてテレビでこのようなバンドを見たり、ライブに出かけたりしていた時代へと呼び戻したかったのです」。

また「保険とボーイズバンドは、ユビキタスな存在であることが似ている」とし、出来るだけ多くのファンにアピールすることが重要だったと述べた。

なお同社は昨年も、リック・アストリーの1987年のヒット曲を用い、本人が登場する動画を公開している。「君を諦めない、がっかりさせない、浮気もしないし見捨てない。泣かせないし、別れを切り出すことも、嘘をついて傷つけることもない」という原曲の歌詞が、保険会社のメッセージとも合っていた。

(文:田崎亮子)

提供:
Campaign Japan
タグ

関連する記事

併せて読みたい

1 日前

世界マーケティング短信:世界の広告費成長率、2025年は+5.9%と予測

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

3 日前

2025年のブランド戦略、5つのトレンド

インバウンドの増加など、新たな期待が膨らむマーケティング業界。2025年のブランド戦略はどう変わるのか。そのトレンドを読む。

2024年11月29日

エージェンシー・オブ・ザ・イヤー2024 日本/韓国:TBWAが多数受賞の快挙

Campaign Asia-Pacific主催「エージェンシー・オブ・ザ・イヤー 2024日本/韓国」で、アクセンチュア ソングとTBWA HAKUHODOが日韓両国で複数の賞を獲得した。

2024年11月29日

世界マーケティング短信:ジャガーのブランド刷新、波紋を呼ぶ

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。