Ryoko Tasaki
2019年11月29日

世界マーケティング短信: タブーに一石を投じる

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

世界マーケティング短信: タブーに一石を投じる

※記事内のリンクは、英語サイトも含みます。


エージェンシー・オブ・ザ・イヤー2019の受賞者発表

Campaign Asia-Pacific主催の「エージェンシー・オブ・ザ・イヤー」の授賞式が11月28日、都内で開催された。「Creative Agency of the Year」金賞はTBWA HAKUHODO(日本部門)、TBWA KOREA(韓国部門)が受賞した。受賞者の一覧はこちら から。


アドテク界の日本代表2名、社を去る

アドテク界で日本オフィスの立ち上げに尽力した2名が、社を去ることが明らかになった。アンルーリー(Unruly)の日本法人代表である香川晴代氏が、今週で同社を去る。アマゾンジャパンで広告事業を立ち上げ、2012年にフェイスブックジャパンへと移り、執行役員を務めた。2015年より現職。

ザ・トレード・デスク(The Trade Desk)の日本担当カントリーマネージャー、新谷哲也氏も年末までに同社を去る。同社に参画する前は電通でデジタル事業に従事していた。2014年7月より現職。


厚生労働省の「人生会議」ポスターが賛否両論

「命の危機が迫った時、想いは正しく伝わらない」、だからこそあらかじめ話し合って共有しておこう――このようなメッセージの「人生会議」のポスターが、物議を醸している。意思決定能力が低下した場合に備えて、患者本人や家族、医療者などが、終末期の医療や介護について話し合っておくのが「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」。その普及活動の一環として、ACPが「より馴染みやすい言葉となるよう」との目的で厚生労働省が愛称を公募し、昨年11月に決定した愛称が「人生会議」だ。

「終活」「エンディングノート」といった言葉が気軽に交わされるようになったこの時代に、メッセージ自体は目新しいものでも、さほど抵抗があるものでもないだろう。だが、お笑いタレントを起用したポスターが25日に公表されると、その表現が「患者や遺族を傷つける内容」「不安を煽っている」など批判があり、厚生労働省は自治体などへの発送を中止した。

一方で、あれくらいの表現でないと危機感を持たない、貼る場所を配慮すればいいのではないか、どんな表現でも万人受けはしないといった意見もSNS上で見られた。賛否が分かれたポスターだが、強烈なインパクトを与えるビジュアルがテレビや新聞などでも取り上げられ、メッセージが広く伝わったという点においては効果があったともいえる。


生理は隠すべきものなのか?

身体や健康にまつわる表現で物議を醸した話題を、もう一つご紹介しよう。大丸梅田店が22日に、女性スタッフが生理中であるかを示す「生理バッジ」を導入し、議論を呼んだのだ。女性のリズムに寄り添うことをコンセプトとした新しい店舗「ミチカケ(micmikake)」の店員が、生理の日は漫画『ツキイチ!生理ちゃん』のキャラクターが描かれたバッジを任意で着用するという取り組み。

これまでタブー視されがちだったジャンルにも向き合っていきたいという思いが同店ブログに書かれているが、店員が生理中であることを客に公表する必要があるのかなど、さまざまな批判が寄せられた。だがフォーブスの記事によると、このような反応はあらかじめ想定していたようだ。同社への取材をもとにした漫画が10月15日に公開されており、百貨店でバッジ着用を導入した際の社内外からの反応が、まるで予言したかのように描かれている。

他にもユニ・チャームが、生理をタブー視することについて考える「#NoBagForMe」プロジェクトを6月から開始している。生理用品を購入すると紙袋で包まれることからスタートしたという。


香港の広告界に、5日間のストライキ参加を呼びかけ

「香港ストライキ(Hong Kong Strike)」なる団体が、香港の広告界に12月2日から5日間のストライキを行うことを呼びかけている。参加する企業や人数の規模は現時点では不明だが、あるエージェンシーの代表は、ここ数カ月で「通常」になりつつある業務の進め方で対応すると語った。「通勤の問題を回避するための在宅勤務や、活動に参加するための休暇取得を認めるなど、とてもリベラルな姿勢をとってきました」。唯一の要件は、社員がプロとしての意識を持ち、合法的に行動することだという。


アプリ内広告、出稿先として人気なのはニュースアプリ

パブマティック(PubMatic)が先日発表した、2019年の国内市場のアプリ内広告に関するレポートによると、デジタル広告予算全体の中でアプリ内広告に充てる平均割合値は、バイヤー全体では28%(広告主では20%、広告代理店では35%)であった。アプリ内広告の実施目的については広告主と広告代理店とで違いが見られ、広告主は「ブランディング(46%)」「アプリ以外のプロモーションに使う(44%)」が上位だったのに対し、広告代理店は「アプリのインストールを促す(56%)」「アプリ以外のプロモーションを行う(46%)」であった。また、広告を出稿するアプリとして最も人気が高いのは、クローズドなプラットフォーム(フェイスブックやLINEなど)以外で

は「ニュース(71%)」が首位で、以下「ヘルスケア・ライフスタイル(59%)」「ゲーム(41%)」「音楽(24%)」が続く。

(文:田崎亮子)

提供:
Campaign Japan

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