
* 自動翻訳した記事に、編集を加えています。
カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルへの初めての参加は、広告へのインスピレーションや感謝の念で満たされるものだと私は考えていた。しかし実際には、業界の行動に唖然としている。
ケースフィルムの不正のニュースは確かに腹立たしいものだったが、ショックではなかった。衝撃を受けたのは、そのニュースに対する人々の反応だった。「誰もが何年も前からこのような状況を知っていた」という声がソーシャルメディアで散見された。「まぁ、ただの広告だから」という訳知り顔でのコメントには、不信感をいだいた。
こんなことを、なぜ私たちは受け入れているのだろうか?
広告業界は長年、奇妙なゲームを続けてきた。トロフィーを追い求め、賞をキャリアアップや新規ビジネスに不可欠なもの位置付けてきた。しかし同時に、称賛されてきた「賞獲得」の多くが、良く言っても誇張されたものであること、最悪の場合には全くの虚構であることを、内心では受け入れてきたのだ。
ケースフィルムの不正は、どうやら黙って見過ごすべき公然の秘密だったようだ。
今年の不正なキャンペーンに対してメディアと世間が注目しているのは、王様が裸であることを王様自身も認識していることの表れだ。クライアントも、若手も知っている。そして、既に知っていた者は、もはや黙って見過ごすことはできなくなった。これから、あらゆる賞に疑念が生じることになる。
だからこそ、この転換点に私はこう問わざるを得ない。もしも賞獲得のために誰もが嘘をついていると一般的に認識されているのであれば、なぜ私たちは未だに賞をこれほど重視するのか? 不正がしばしば起こっていることを認めながらも、依然として賞にリソースを注ぎ込み、賞がキャリアを左右することを受け入れ続けている。
私たちは、より大きなエージェンシーでの仕事やより高い給与に魅了され、実績を示して認められるために賞に固執する。受賞すると将来への希望が生まれる、あるいは賞獲得に向けた強いプレッシャーを経営陣からかけられれば、倫理的でない手段に走る者も出るだろう。
しかし、私たちは「底辺への競争」に巻き込まれている。賞が必要だという認識が不正を助長し、その不正が利益をもたらすのを私たちはたびたび目にしてきた。今や、最も過激で(偽造された可能性のある)キャンペーンが注目される一方で、真に効果的で正直な作品が、捏造されたファンタジーとの競争に苦戦しているように見える。
真の代償
この茶番の代償は、評判を傷つけトロフィーの価値を下げただけにとどまらず、広告業界を内側から蝕んでいる。AIが広告を殺すのを待たずとも、自分たち自身で殺しているのだ。
ギャラップ(Gallup)が2024年に実施した調査によると、米国人の50%が広告業界の人々の正直さや倫理基準を「低い」あるいは「非常に低い」と評価している。同じ調査を業界内で実施したら、どうなるだろうか? 問題の要因は業界内にある。私たちは互いを信頼していない。そして自分たちが信頼されていないという状況を、自ら助長しているのだ。
広告業界は、シニシズム(冷笑的な態度)の温床となっている。才能ある新しい人材が、意義のある仕事をしようと目を輝かせ、熱意を持って入ってくる。だが、否定的な反応や自己満足、時には道徳的な腐敗にも直面する。そして、不正なゲームへの参加を拒否する人々が、次々と去っていく。業界がこのように営まれ続けてきたことで、一体どれだけの優秀な人材が失われたのだろうか?
そして、広く受け入れられてきた嘘によって、真の創造性の価値はどれほど低下したのだろうか? 広告業界は、実際にクライアントを支援する能力よりも、広告についてのストーリーテリングで知られるようになるリスクがある。
行動への呼びかけ
この根深い問題を修正するには、一部の人々の責任を追及するのではなく、業界全体の変革が必要だ。自分たちの弱点が露呈した後に、どのような行動をとるかで私たちの本当の性格が明らかになる。
まず個々人としては、誠実さを貫こう。安心して発言できる環境にいるのであれば、ぜひ声を上げよう。さらに、嘘をつくように求められても、拒否しよう。誰もがそうできるわけではないが、もし可能なようであれば力を貸してほしい。拒否する個人が増えれば増えるほど、変化はより早く起こる。
エージェンシーのリーダーとしては、そもそもこの問題はトップから始まったのだから、変化も同じように起こそう。社内の指標の見直しを促そう。賞の数ではなく、クライアントの検証可能な成功や、キャラクターに基づく案件獲得を重視しよう。トロフィーが所狭しと並ぶ棚を、ロビーから撤去することも必要かもしれない。
求人情報に「受賞歴のあるクリエイター」と載せるのをやめよう。ライオン(賞)が必要なのは動物園であって、広告会社ではない。
最後に、倫理に反する行為を匿名で報告する仕組みを確立し、匿名性が確実に守られるよう徹底しよう。
より強靭で信頼できる広告業界へ
私は「嘘は悪いこと」と説教するつもりはない。しかし、大部分が嘘に基づいていることを誰もが知っている賞のために、嘘をつくことは馬鹿げている。不正を見て見ぬふりし続けることに本当に納得できるのか、かかるコストを考慮して自問自答してみてほしい。
このステップを正しく実行できれば、私たちは信頼を取り戻すことができる。業界の内外からの評判をさらに高め、優秀な人材を惹きつけ、確保できるようになる。
そして、私たちがこの仕事に惹かれた原点である、真のイノベーションと創造性を再び称賛できるようになるだろう。
アシュリー・ラトスタイン氏は、フリーランスのクリエイティブディレクターで、スタッフ・アバウト・アドバイジング(Stuff About Advertising)の創設者。