Andrew Ho
2 日前

なぜ、コミュニケーション予算を維持すべきか

企業では次年度に向けた予算編成が始まっている。コミュニケーション部門は社内で「成長エンジン」として認識されねばならない、とPRの専門家は語る。

なぜ、コミュニケーション予算を維持すべきか

* 自動翻訳した記事に、編集を加えています。

2025年も下半期を迎えようとしている今、多くの企業では次年度に向けた準備と予算編成が進みつつある。マーコム部門が直面するのはお馴染みの課題だ。予算が業績向上や事業拡大へと振り分けられがちななか、いかにコミュニケーションの必要性を訴えるか −− 事業成長や売上目標に注力する企業では、特に難題だろう。

成長モードは素晴らしいことだ。売上高が伸びるのを喜ばない者はいない。だが我々が忘れがちなのは、コミュニケーションとパブリックリレーションズ(PR)が単に事業成長を側面からサポートするだけではない、ということだ。コミュニケーションもPRも持続可能な成長エンジンであり、長期にわたる成長を実現する要素なのだ。

多くの人々は売上を成長エンジンの目玉とみるかもしれないが、PRの「静かなパワー」を過小評価すべきではない。売上かコミュニケーションか、という二者択一ではない。PRは成長を紡ぎ出す方程式に欠かせず、「あれば良い」のではなく、戦略的に極めて重要なのだ。

コミュニケーションの不可欠な役割

新年度の始まりは、あらゆる組織にとって重要な節目となる。新たな目標や戦略のシフトを設定し、迅速な事業拡大を目指す。その際に欠かせないのは明確なコミュニケーション戦略だ。決してそれを軽視することはできない。

まずコミュニケーション部門は、ブランド戦略に対する支持を社内から得ねばならない。ブランド構築は不可欠な第一歩で、良いネーミングは製品やサービスの売上を促進する。これはリードマーケティングを実現するための「(地上部隊への)上空からの援護」に相違ない。強力なブランド構築ができなければ信頼とモチベーションは醸成できず、コンバージョンにも苦戦する。

コミュニケーション部門は、様々な人々との関係性を深化させる上で重要な役割を果たす。長期的ビジョンを伝えるため、投資家や規制当局、さらに全体的なエコシステムに欠かせない。目的は「社会善の実現が当社の存在価値」と伝えることだ。

つまり、PRはサポート役ではない。MQL(マーケティングクオリファイドリード)を誘導し、新規ビジネスを獲得する、強力かつコスト効果の高い手段なのだ。

売上と事業拡大を強化するコミュニケーション

売上向上のための予算をコミュニケーション予算より優先させる考え方は、短視眼的だ。コミュニケーションは営業部の取り組みを推進し、より効率的にする。

  • 売上向上への道筋: 世間でほとんど知られていない、あるいは明確なメッセージがない企業と取引をする営業部を想像してみよう。効果的なPRやコミュニケーションは事前にブランド認知度を高め、信頼性を確立する。価値提案を事前にアピールすれば、最初のコンタクトははるかにたやすいものになる。
  • 営業にもコンテンツは重要:通常、コミュニケーション部門は優れたヒーローコンテンツ(ブランドの価値・メッセージを最大限に表現し、幅広い顧客層にリーチするコンテンツ)の作成に責任を持つ。ケーススタディやソートリーダーシップに関する記事、白書、価値証明などがそれに相当し、セールスファネルを直接的にサポートする。こうしたコンテンツは潜在顧客を誘い、その課題を解決し、営業部が活用できる有益なリソースを提供する。
  • 強力なソートリーダーシップの確立: 優れたメディア戦略とコンテンツ制作で、コミュニケーションは企業とそのリーダーを「業界エキスパート」に位置付けられる。こうしたソートリーダーシップは一種の権威を築き、インバウンドリードを呼び込み、売上効率と影響力を高める。
  • 危機管理とレピュテーション保護: 危機の際には売上が急落するリスクがある。積極的なコミュニケーション戦略はレピュテーションの被害を最小限に抑え、ネガティブなイメージをいち早く払拭する。セールスファネルの保護と事業継続のためには不可欠だ。
  • 成功事例の拡大: 営業部が大きな取引などを成し遂げた際、コミュニケーションは様々なチャネルでそれを伝達する。これは社内のモチベーションを上げるだけでなく、潜在顧客に対する強力な「社会的証明」となり、営業へのさらなるサポートとなる。

コミュニケーションとPRは戦略的投資

企業が新年度を迎える際、特に資金調達に成功した後などは、マーコム部門はコミュニケーションとPRがブランドに何をもたらすのか、明確な説明ができなければならない。これは単なるプレスリリースの配信や、メディアに記事で取り上げてもらうことではない。ブランド認識を戦略的に構築し、信頼を獲得する。さらに人材を引き寄せ、売上向上に直接結びつく環境を築くことだ。

様々な優位性がカギとなる競争の激しい市場では、豊かな資金に裏付けられた戦略的なコミュニケーションプランは持続的な成長の基盤であり、営業・事業の拡大には欠かせない。企業は単なる成長ではなく、目的と明快さ、そして力強いメッセージ性のある成長を目指すべきだろう。


アンドリュー・ホー氏は、エラートン&カンパニー(Ellerton & Co.)パブリックリレーションズのシニアマネージャーを務める。

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