David Blecken
2017年1月19日

P&G、日本での新たなメディア展開

日用品大手のP&Gが、メディア事業の構造改革に乗り出す。オムニコムのネットワーク「ハーツ・アンド・サイエンス」のアジア進出にも道を開くものと言えそうだ。

(画像:P&G)
(画像:P&G)

プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン(P&G)は日本でのメディアプランニング・ビジネスのパートナーとしてカラ(電通イージス・ネットワーク傘下)と、オムニコム・メディアと博報堂が新設する合弁会社を選定した。この決定には8ヶ月の検討期間を要した。

P&G広報担当の遠藤紀幸氏はこのニュースを認め、2月から新体制に移行すると明かした。これまでの同社の広告代理店は電通と協業するメディアコム。P&Gは過去30年余り電通との関係を継続しており、テレビ広告に関しては引き続きそれを維持していく。

オムニコムは、博報堂と共にP&Gの業務を専門に行う合弁事業を立ち上げるものと見られる。また、オムニコムの新しいメディアエージェンシー・ネットワーク「ハーツ・アンド・サイエンス」のアジア市場進出も日本が皮切りになる模様。ハーツ・アンド・サイエンスは2016年4月に米国で事業開始、これまでにカナダや英国、プエルトリコに進出している。

P&Gの動向に詳しい業界関係者は、オムニコムと博報堂がP&Gのメディア事業の半分程度を担うだろうと予想しているが、遠藤氏は広告予算の規模や業務委託の振り分けについては言及していない。

同氏は、電通がデジタルサービスでの過剰請求を認めたことへの不信感から代理店を変更したわけではないと述べ、日本市場での主要広告代理店の1つとなるカラを通じ、P&Gと電通との関係は維持されることを強調した。

提供:
Campaign Japan

関連する記事

併せて読みたい

13 時間前

世界マーケティング短信:Cookie廃止の延期、テスラの人員削減

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

1 日前

大阪・関西万博 日本との関係拡大・強化の好機に

大阪・関西万博の開幕まで1年弱。日本国内では依然、開催の是非について賛否両論が喧しい。それでも「参加は国や企業にとって大きな好機」 −− エデルマン・ジャパン社長がその理由を綴る。

2 日前

エージェンシー・レポートカード2023:カラ

改善の兆しはみられたものの、親会社の組織再編の影響によって、2023年は難しい舵取りを迫られたカラ(Carat)。不安定な状況に直面しつつも、成長を維持した。

2 日前

私たちは皆、持続可能性を前進させる責任を負っている

持続可能性における広告の重要性について記した書籍の共著者マット・ボーン氏とセバスチャン・マンデン氏は2024年のアースデイに先立ち、立ち止まっている場合ではないと警告する。