David Blecken Ryoko Tasaki
2017年9月05日

資生堂「WASO」が描く、等身大の美しさ

化粧品大手が、ミレニアル世代をターゲットとした新ブランドを展開。最新の動画では、リアルな日常がシンプルかつピュアに描かれる。

資生堂は、ミレニアル世代をターゲットにグローバルで展開する新ブランド「WASO(ワソウ)」のプロモーションフィルムとして、新たに2本の動画を公開した。

「On The Road」篇を撮影したのは、アーティストやスケートボーダーとしても活躍する映像作家、ジュリアン・クリンスウィックス。同氏がガールフレンドのイーリーと共に登場する作品と、スタイリストのジェニー・チョイを起用した作品とがある。

のびのびと過ごす若者の日常という文脈の中で、商品を訴求しているこの動画は、ローンチキャンペーンを手掛けたワイデン+ケネディがディレクションを担当。また、自然素材を生かした商品であることも、さりげなく伝えている。

Campaignの視点:
他の化粧品メーカーではなかなか見ることのできない優雅さは、ローンチ当初に述べたとおり。少し褪せたような色彩と音楽が、まるで夢を見ているかのような雰囲気を醸し出しており、日常生活をそのまま切り取ったかのようだ。美容関連の広告にありがちな、完璧すぎる美しさとは一線を画した作品となっている。
ただし、スマートフォンでの視聴が中心となるミレニアル世代にとって、2分間というのは長尺。抑揚を抑えた動画を、はたして最後まで集中して視聴してもらえるかどうかは不明だ。

(文:デイビッド・ブレッケン、田崎亮子)

提供:
Campaign Japan

関連する記事

併せて読みたい

4 日前

世界マーケティング短信:グレイがオグルヴィの一員に

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

2025年5月14日

AI、著作権、そして創造性:イノベーションと搾取の微妙な線引き

テック大手が著作物を用いたAI学習を政府に働きかけ、アーティストが作品を守るために訴訟を起こす中で、広告業界は著作権、クリエイティビティー、そしてクリエイターの仕事を尊重しながらAIを組み込むという課題に直面している。

2025年5月13日

広告主とエージェンシーの「適切な透明性」

広告主とエージェンシーが信頼関係を築くために必要なのは、絶対的な透明性ではない。双方にとって生産的かつ合理的な透明性とは何か。

2025年5月09日

世界マーケティング短信: GroupM、「WPPメディア」に改称へ

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。