David Blecken
2016年9月14日

「雨」をテーマにした高島屋の浴衣

雨を題材にした、夏の厳しい暑さを乗り切るユニークな浴衣のラインアップを、高島屋とクリエイターが手掛けた。

長雨が夏の終わりを告げるこの季節、雨のしずくをモチーフにした浴衣の制作風景をおさめた動画を高島屋とTBWA\HAKUHODOが発表した。

「雨をまとう浴衣」と題されたこのプロジェクトは、さまざまな雨の表情を愛でるもので、夏の初めから始動。雨は、日本の芸術や文学において、しばしば中心的な要素にもなっている。

日本には雨を表現する言葉が数え切れないほどあるが、高島屋が本プロジェクトで焦点をあてたのは、霧雨、村雨、篠突く雨の3つだ。

これらの雨を抽象化したデザインが、レーザーによってアクリル板に刻み込まれ、出来上がった溝に手作業で一粒ずつ水滴を垂らして撮影。その画像が布地に転写された。
 


高島屋はTBWA\HAKUHODOのアートディレクターである徳野佑樹氏をこのプロジェクトに起用。徳野氏は発表の中で、これは「古くから日本文化に見られる繊細な感覚をよみがえらせる試み」であるとし、つかの間であるが故に見過ごされがちな自然のイメージを、テクノロジーを駆使して浴衣の模様として表現できないか考えたという。

Campaignの視点:美しい製品コンセプトであり、広告会社が携わったという点でユニークだ。TBWA\HAKUHODOは他にも、オフィスでもビーチでも着用可能なクイックシルバーの水陸両用スーツ「TRUE WETSUIT」や、好きな形を3D技術で氷にしてウイスキーと共に味わうサントリー「3D on the Rocks」なども手掛けており、プロダクトデザインの分野で評価を得ることに意欲的なようだ。このような取り組みは、コミュニケーションのデザインを超えた役割を担う力が広告会社に備わっていることを証明するものでもある。
今回のプロジェクトが高島屋ブランドにもたらす影響は大きくないかもしれない。しかし、日本の職人技や伝統文化を強調した作品は国際的な賞の審査員の間での受けが良く、注目に値する。

(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳:鎌田文子 編集:田崎亮子)

提供:
Campaign Japan

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