言うまでもなく、習慣的にスマートフォンを見るのは決して首に良くない。更に気持ちが塞ぎがちになるのも、このキャンペーンが訴える通りだろう。
そんな時の気分転換にと、「小さな幸せ」の象徴であるアイスクリームを作るロッテが、電通とともに「爽(So)ハッピーベンチ」を考案した。もちろん「爽」は、人気のアイスクリームの名に由来する。
このベンチの特徴は、座った時に目線が自然と上に行くようデザインされていること。製作したのはソーシャルプロダクトデザイナーの太刀川瑛弼氏。慶大大学院で幸福科学を研究する前野隆司教授が、開発に協力した。同氏曰く、「上を向くことで人が幸せになれることは調査で立証されています」。
ハッピーベンチは企業にも無償で提供され、これまでロレアルなど10社が導入した。いずれも社員の健康面を考慮し、労働慣行の改善を目指す企業だ。電通広報部は、「依頼があれば増産を検討します」と述べている。
Campaignの視点:
このようなPRは単に奇をてらっただけ、と取り合わない人もいるだろう。確かにそうかもしれないが、そのシンプルさ、そしてブランドの持つメッセージがはっきり伝わる点を我々は評価したい。また、「楽しさ」も醸していて、低コストというメリットもある。このPRが直接アイスクリームの売上を伸ばすかどうかは分からないが、屋外用の椅子やテーブルを作るデザイナーにインスピレーションを与えることだけは間違いないだろう。
(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:水野龍哉)