Ryo Miyakawa
2019年6月13日

カンヌライオンズ 2019受賞予測:宮川涼(monopo)

今年のカンヌライオンズではどのような作品が受賞を果たすのか。業界のオブザーバーが予測する。

宮川涼氏
宮川涼氏

今月開催される、カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル。Campaignは複数のオブザーバーに、今年のカンヌで高い評価を受けるであろう日本及びアジア太平洋地域の作品を選んでもらった(自社制作のものは除く)。今回はmonopoのクリエイティブディレクター、宮川涼氏が選んだ作品をご紹介する。

  1. ヤマハ 「I’m a Hero Program

舞台となったコロンビアのメデジン市には、格差や貧困によって生まれる 「見えない壁」がそびえ立つ。この壁を打破する可能性の一つとして提示されるのが、「音楽の力」だ。現地の課題を考慮して生まれた、壊れにくい楽器「ヴェノーバTM」。数万人の観客が見守る中、子どもたちが憧れのサッカー選手と手をつないでピッチに登場し、コロンビアの人々の誇りである国歌を演奏するという結末。55分に及ぶドキュメンタリーフィルムも素晴らしい。

  1. Kojoe(コージョー、アーティスト) 「Day n Night」

プログラミングによるモーションコントロールで、ドローンが狭い空間を自由に飛び回る。同じ軌道を飛ばして、映像を多重合成。制作の裏側を綴った記事(https://www.youtube.com/watch?v=Pru7pE2rMpI)から伝わるクラフトへの探究心がグッとくる。

  1. ヤフージャパン 「防災ダイバーシティ」

「人の数だけ、備えがある」 −− 働き方も生き方も多様化する時代、「防災」も同じではないという教訓。それをメッセージとするだけでなく、映像の中で選択肢を示し、各人に適した「防災」を教えてくれるのも実用的。暗いトーンではなく、ポジティブに描かれていることで気持ちも上がる。個人的に大好きなキャンペーンだ。

  1. 日本肢体不自由者卓球協会 「PARA PING PONG TABLE / カタチにとらわれない卓球台」

障がい者は日常どう感じているか −− 健常者が普段あまり考えず、体感しないテーマを卓球台を通して誰もが感じられるよう可視化した点が面白い。 それぞれの造形クオリティも高い。障がい者がどうハンディを克服するかという視点も添えられ、「不自由はある。不可能はない。」というコピーがすっと胸に染み込む。

提供:
Campaign Japan

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