James Thompson
2016年8月12日

デザインは脳に直接刻み込む

お金はあるけど投資先が分からない、そんな人は先見の明を持ったデザイン会社に投資してみるとよいだろう。ただし、これは私の個人的な見解なので、あくまでも自分の責任でお読みいただきたい。

ジェームズ・トンプソン氏
ジェームズ・トンプソン氏

本来ならば優秀な人材が、従来の広告会社からデザインの世界に大勢移っていくはずである。良識ある人が「広告の時代はもう終わった」と言うほどにまでは至らないものの、マーケティングにおける広告の地位は明らかに低下している。これはチャネルが多様化し、伝えるメッセージも激増しているためだ。「指定広告代理店」の役割は、ビッグアイデアの開発とキュレーション、さらにこの概念の基礎となるコンテンツの編集へと変化しつつあると考えられる。

南オーストラリア大学エーレンバーグ-バス・マーケティング研究所のバイロン・シャープ教授は、ブランドを人々の「記憶構造」に刻み込むことがマーケターの最初の業務であると、科学的な見地から主張している。目は脳への最短経路であり、デザインの判断を誤ると、消費者の単純認識やブランド識別が低下することが、事例研究から分かっているためだ。関連性や訴求力への影響については言うまでもない。最新のマーケティングにおいて最も重要なことの一つとして、デザインが商標登録や来歴を表すだけでなく意味や経験も表すものでなければならない、ということが挙げられる。

5月にアトランタで開催された「How Design Live」という会議で、私はデザインが人々の理性的思考を覆して「買わずにはいられない」という気にさせるマーケティングツールであると話した。変わりゆく環境の中で、ブランドマネジャーが守っていかなければいけないものはブランドの評判と、優れたデザインの2点だ。

さっそくデザイン会社に投資してみよう。しかし最初に述べたとおり、私の忠告には十分に注意されたい。

(文:ジェームズ・トンプソン 翻訳:PTSGI 編集:田崎亮子)

ジェームズ・トンプソンはディアジオ・リザーブ(ディアジオの高価格帯商品)のグローバルマネージングディレクター。

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