Luke Blaser
2019年4月16日

ブランドが目指すべきなのは、メディア企業ではない

現在は「常時接続」コンテンツの時代だが、これに筆者は反論する。

ブランドが目指すべきなのは、メディア企業ではない

多くのコンテンツマーケターが、よくこう言う。「ブランドはメディア企業のように振る舞うべき」「成功するブランドは、商品を売るだけではなく楽しみも提供している」「ブランドが成功するには、広告主としてだけでなくコンテンツクリエイターとして、価値を提供しなければならない」と。

これらの大半が誤りだ。確かにブランドには、自社の商品やサービスについて消費者に説得力ある方法で説明し、楽しませることが求められる。だがそれを、単にコンテンツのクリエイターやディストリビューターになって実施すればよいというものではない。

真にブランドの価値を説き、楽しみを提供するブランドになりたいのならば、メディア企業にはならないことだ。むしろ、その真逆を行くのがお勧めだ。

ソーシャルチャネルをやめよう

大半のマーケターにとって、ブランドが所有するソーシャルチャネル向けのコンテンツ制作は、多大な資源の浪費だ。フェイスブックのビジネスページやユーチューブのチャンネルは管理に多大な時間を要する上、こういったプラットフォームはコンテンツやマーケティング活動、消費者データにおいて未だ大きな権限を持つため、ここからの収益化は難しい。

これに割く労力や予算は、他にもっと効果的に使える。自社のソーシャルチャネルをなくすことでも、ブランドは外の世界にパートナーを見つけ、もっとダイナミックな手法で展開することが可能になる。注意を散漫にして資源を分割させる、高負荷なソーシャルチャネルは必要ないのだ。

フェイスブックやインスタが「必要」なのは、ネット直販ブランドだけ

もし前述したような点が自社に当てはまらないと考えるなら、はっきり言おう。製品やサービスを直接消費者に売るためにフェイスブックやインスタグラムを使っているのでなければ、これらのページは削除することだ。フェイスブックやインスタグラムのアルゴリズムは常に変化しているので、オーガニックな形で消費者とつながる最適の方法がない。また、いまや消費者は有料広告を無視する術を身に付けているので、マーケティング努力も簡単に無駄なものになり得る。

ユーチューブをやめる、たった一つの理由

もし自社のプロダクトレビュー動画が、ブランドのコンテンツ動画よりも良くできているのなら、ユーチューブのチャンネルは必要ない。ユーチューブでは、チャンネル自体よりコンテンツが重要なので、オーガニックビューを稼げる高品質なストーリーテリングを行っているのでなければ、ユーチューブのチャンネルは必要ないのだ。

ハンドルネームを持つよりも、ハッシュタグになる方が良い

ソーシャルチャネルを(全て、あるいは最低でも全く必要のないものだけでも)廃止したならば、マーケターはブランドが話題となるような施策、そして既存顧客やコミュニティーとの融合に注力できる。こういったこと全てが、オンラインでのブランドのよりオーガニックな運営につながる。

その実現方法として簡単なのは、ブランドをハンドルネームで押し出すことをやめ(いずれにせよ、この時点でもうSNSのフィードはなくなっているはず)、代わりにブランドをハッシュタグとして位置づけることだ。ハッシュタグとしてのブランドは、より強力な存在になる。なぜならハッシュタグは、ブランドを検索可能な言葉に変え、露出をもっと増やすからだ。ハッシュタグはコンテンツにテーマ付けをしたり、ラベリングをしたりするために使うものなので、ブランドはハッシュタグとして登場する機会がずっと多くなることになる。

どんなブランドであっても、究極的に目指すべきはSNSのアカウントを所有することではなく、それを通じたオーガニックな存在になることだ。その大きなチャンスを、ハッシュタグはもたらしてくれる。

自分たちのストーリーを伝えてくれる人を見つける

ブランドにとって、人々に理解してもらい楽しんでもらう最強の方法は、自らがそうするのではなく、同じような嗜好を持つ人々やインフルエンサー、クリエイター、生活者を通じて行うことにある。自分のソーシャルチャネルやハンドルネームをなくすことで、他者とつながるより大きな機会を手にし、ブランドの物語を伝えることになる。

マーケターは外部の人たちに注目し、彼ら彼女らの言葉でブランドの物語を伝えてもらうようにするべき。それは、自社ブランドと嗜好の同じオーディエンスを持つクリエイターを見つけるのであれ、ブランドのコンテンツを発信しシェアしてくれる人々を招いたイベントを開催するのであれ、だ。ブランドのチームがどんなものを作ったとしても、そういった人たちによるストーリーテリングはもっと強力で、かなわない。

ブランドは常にあらゆる場所でコンテンツを発信しているが、そのほとんどがオーガニックな形での新発見やシェアを促すことにつながっておらず、それどころか自分たちを消費者から遠ざけるものになっている。マーケターはこの習慣を改め、「ブランド所有」のコンテンツから離れるべきだ。成功するブランドとは、最も頻繁に情報を発信するものではなく、最もシェアされるものなのだ。

(文:ルーク・ブレイザー 編集:田崎亮子)

ルーク・ブレイザー氏は、米コロラド州ボルダーに拠点を置くコンテンツマーケティング会社「インクウェル(Inkwell)」の共同設立者。

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