David Blecken
2017年11月02日

ベインによるADK買収、WPPからの法的手続により難航

WPPが東京地裁に申し立てを行い、買収に強硬に反対する。

ロンドンにあるWPPのオフィス(写真提供:AFP)
ロンドンにあるWPPのオフィス(写真提供:AFP)

アサツー ディ・ケイ(ADK)が英WPPとの資本・業務提携の解消を申し入れた件で、WPPが法的手続をとったとフィナンシャルタイムズ誌が報じた。WPPは、ADKが保有する同社株式の売却は契約違反だと訴えている。

WPPは、1998年より続けてきた提携を解消しようとするADKの申し入れは、契約に違反していると主張。日本商事仲裁協会と東京地方裁判所に申し立てを行った。

ADKは同社が保有するWPP株式の売却に際して、ヘッジ取引をすることを10月に発表。これが、1998年にADKとWWPの間で締結した株式売買契約(SPA)の規定に違反しているというのが、WPP側の主張だ。WPPは昨日、提携協力契約(CAA)の解約通知を発送する予定であると発表。CAA解約により、WPPグループが保有するADK株式の売却を行う契約も解消できるとしている。

これに対してADKは本日声明で、ヘッジ取引に契約違反は存せず、WPPグループが保有するADK株式を売約するよう求めていく方針だと発表した。必要に応じて法的手続をとることも含めて、検討していくという。

ADKの筆頭株主であるWPPは、最大1517億円を見込むベインキャピタルの買収額は「企業価値を過小評価している」として、今回の株式公開買付け(TOB)に反対。同時に、ADK経営陣の経営手腕も強く批判した。WPPがこれまで発表してきた辛辣な声明の数々は、他の大株主からも反対票を取り付けるためのものとも考えられる。

11月15日までにベインが50.1%以上の株式を取得できなければ、TOBは成立しない。約半分の株式を保有する株主たちが、今回の買収に反対しているとみられる。

(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:田崎亮子)

提供:
Campaign Japan

関連する記事

併せて読みたい

1 日前

DANの商号、「電通インターナショナル」に

電通イージス・ネットワーク(DAN)の商号が「電通インターナショナル」へと変わる。世界での事業が「電通」のブランド名で統一されることになった。

2 日前

「40 Under 40」、2020年のエントリー開始

アジア太平洋地域の若き才能を選出する「40 Under 40」、8年目を迎えた2020年度のエントリーがいよいよ始まりました。

2020年9月25日

世界マーケティング短信:激しさを増す駆け引き

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

2020年9月24日

ミレニアル世代と祖父母をつなぐ、「マゴ写レター」

「普段なかなか会えないおじいちゃんやおばあちゃんに、スマホから写真付き往復はがきを送ろう」 −− 日本郵便が、敬老の日に因んだ新しいコミュニケーションサービスを開始した。