Ryoko Tasaki
2024年5月31日

世界マーケティング短信:トヨタ、パリ大会を最後に五輪協賛終了へ

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

世界マーケティング短信:トヨタ、パリ大会を最後に五輪協賛終了へ

※記事内のリンクは、英語サイトも含みます。

パラリンピックへの協賛は続けたい意向 トヨタ

トヨタ自動車が、国際オリンピック委員会(IOC)と結んでいたTOP(The Olympic Partner)スポンサー契約を、2024パリ五輪を最後に終了する方向で調整していることが明らかになった。同社は2015年に契約を結び、自動車メーカーとしては初のTOPスポンサーとなった。

共同通信によると、トヨタの中ではスポンサー資金がアスリート支援やスポーツ振興に有効に使われていないという不満の声があるという。今後はアスリートを直接支援するなど、スポーツ振興には引き続き力を入れていく考え。また、国際パラリンピック委員会(IPC)とのスポンサー契約は続けたい考えだが、IOCは片方だけの契約は認めておらず、協議を進めている。

同社は2021年の東京五輪でも、CM放送を見送っている。コロナ禍での開催をめぐり世論が分かれたためで、社長(現会長)の豊田章男氏も開会式を欠席した。

OpenAIとニューズ・コーポレーションが提携

生成AI事業を手掛けるオープンAI(OpenAI)が、米メディア大手ニューズ・コーポレーション(News Corp)とニュースコンテンツの利用で提携した。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、この契約は5年間で2億5,000万米ドル以上。オープンAIはウォール・ストリート・ジャーナルやニューヨーク・ポスト、サンデー・タイムズなどのコンテンツにアクセスできるようになる。また声明によると、ニューズ・コーポレーション側からは「ジャーナリズムの専門知識を提供し、OpenAIのコンテンツがジャーナリズムの最高水準を維持するよう支援する」とのことだ。

OpenAIはここ数カ月でAP通信、アクセル・シュプリンガー(Axel Springer)、ル・モンド(Le Monde)、プリサ・メディア(Prisa Media)、フィナンシャル・タイムズ(The Financial Times)などのメディアとも提携している。

R/GA Japanのマネージングディレクターにベイカー氏

R/GA日本オフィスのマネージングディレクターに、アンソニー・ベイカー氏が就任する。北アジアで長期的な戦略的パートナーシップを拡大し、顧客の事業成長を促進するクリエイティブソリューションの提供に力を注ぐ。

デジタルやテクノロジーの知識や経験が豊富な同氏は、R/GAロンドンから2017年に日本に拠点を移し、日本オフィスの設立に携わった。2023年夏にゼネラルマネージャーに昇格。以来、日本オフィスは2桁成長を遂げ、従業員数は3割増えた。2020年には、Campaign主催「40 Under 40」に選出されている。

 

トイレに流してはいけない物をセラピーで告白 シドニー

トイレに異物を流すと、排水管を詰まらせる原因となる。豪州の水道事業者「シドニーウォーター(Sydney Water)」によると、シドニーでは年間2万件以上の詰まりが発生し、清掃や修繕にかかった費用は2700万豪ドルに上る。職員が今年1~4月に3699件もの現場に同行したところ、おもちゃや電子タバコ、フェイスマスク、ゴルフボール、ジュエリーなどさまざまな物が詰まりを引き起こしていたとか。

この問題の啓発のために制作されたのが「トイレ・ブロッカー(Toilet Blockers)」という動画だ。トイレを詰まらせた人のためのグループセラピーが行われ、参加者は自分が流してしまったものを告白する。まず登場した男性が挙げたのは、水に溶けないウェットティッシュ、デンタルフロス、ペーパータオル、髪。そして犬を飼ってもいないのに、犬のせいにしようとし、さらには「ティッシュで詰まるなんて考えもしなかった!」とも。企画・制作はイッツ・フライデー(It’s Friday)。

【お知らせ】

Campaign Asia-Pacificが主催する「Best Places to Work Asia-Pacific 2024」のエントリー受付が始まりました。

このアワードは、エージェンシーやブランドの社内コミュニケーションチームが優れた職場環境を整えるよう支援することを目指すものです。早期エントリーは6月3日(月)まで、通常エントリーは6月20日(木)まで。詳しくはこちら(英語)をご覧ください。

(文:田崎亮子)
 

提供:
Campaign Japan

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