Ryoko Tasaki
2020年9月04日

世界マーケティング短信:協働か、対立か?

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

インド政府は、ゲームアプリ「PUBG」を含む中国製アプリを禁止した
インド政府は、ゲームアプリ「PUBG」を含む中国製アプリを禁止した

※記事内のリンクは、英語サイトも含みます。

個人情報をばらまくことの意味

ユーザーの個人情報保護の姿勢を強く打ち出すアップルが木曜日に、新しいCMを発表した。個人情報が漏れるということが具体的にどのようなことを意味するのかをユーモラスに描いたものだが、恐ろしさも感じさせる。動画内では、「今日、離婚弁護士のサイトを8つ閲覧した」と大声で宣言する男性や、「すべてのログインにはこのメールアドレスを使っているの」と説明する女性、さらには同僚の悪口をチャットしたり、妊娠検査薬と妊婦用ビタミン剤を購入したことや、クレジットカードの番号を周りに伝える人々が映し出されている。

 

アマゾンミュージック、ツイッチのライブ配信機能を統合

音楽配信サービス「アマゾンミュージック」のアプリに、ゲーム実況サービス「ツイッチ(Twitch)」のライブストリーミング機能が組み込まれることが、9月1日に発表された。アマゾンミュージックのユーザーは、フォローしているアーティストのライブ配信をプッシュ通知を受け取ることができ、アプリでの視聴も可能。「ライブ配信と、アマゾンミュージックでのオンデマンド再生の組み合わせは画期的」と、アマゾンミュージックのディレクター、ライアン・レディングトン氏はプレスリリース内でコメント。「アーティストがファンと即座に関わることができる、さまざまなツールを我々は提供しています。この新機能を発表するのに、今ほど重要な時期はありません」


 

インド政府、中国製アプリをさらに禁止

59の中国製アプリの使用禁止を6月末に発表したインド政府が、さらに118のアプリを禁止した。禁止アプリの中には、バイドゥ(百度)、アリペイ(支付宝)、PUBGなどが含まれる。禁止となったアプリの全リストはこちら(英語)

 

代替肉ブランドが広告で激論

豚や牛といった動物の肉を使わず、別の素材で代替した「代替肉」のブランドが、激論を闘わせている。事の発端は先週火曜日、ライトライフが主要紙に公開書簡を掲載したこと。ダン・カーティン社長の名で、「高度に加工された材料、GMO(遺伝子組み換え作物)、添加物や混ぜ物、偽物の血などを使った代替肉は、もうたくさん」と、競合するビヨンド・ミートとインポッシブル・フーズを名指しでこき下ろしたのだ。掲載当日、インポッシブル・フーズはブログで反論している。

この論争にうまく乗ったのが、今年立ち上がったスタートアップ企業、プランテラ(Planterra)だ。6月に発売されたばかりの同社ブランド「OZO」を大きく載せた公開書簡には、「植物由来食品業界の道を開いてきた企業の、足を引っ張ろうとする発言があった」ことに触れつつ、先駆者であるビヨンド・ミートとインポッシブル・フーズが業界の進化を牽引し続けてきたことへの感謝の言葉が綴られた。OZOが「美味しくてクリーン、そしてGMOを使っていない」ことも、しっかりとアピールしている。

 

七面鳥の曲、スポティファイで配信

豪州の鶏肉生産業者ステッグルズ(Steggles)は、七面鳥の肉を訴求するキャンペーンの一環として、スポティファイで4つの曲を発表した。見た目が独特な七面鳥は脂肪分が少ない。「醜いが、身体に良い」という意味の歌詞を、ロック、ポップ、テクノ、ヒップホップ調の曲に合わせ、ジャケットのアートワークも用意された。制作はM&Cサーチ。

テクノ調の曲

ヒップホップ調の曲

(文:田崎亮子)

提供:
Campaign Japan
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