※記事内のリンクは、英語サイトも含みます。
女王への追悼、対応に苦慮するブランドも
エリザベス女王の死去を受けて、英国は国葬が執り行われる19日が終わるまで喪に服す。英国政府は服喪期間や国葬に関するガイダンスを発表し、服喪期間であっても企業の活動停止を義務付けず、裁量に任せるとしている。
さまざまなブランドがウェブサイトやソーシャルメディアで哀悼の意を表明しているが、中には批判が巻き起こったものも。特にブランド要素を含む投稿や事業内容との整合性が取れていない投稿に、批判が集中したようだ。
It's tough right now so I'll be taking any and all of the most insane tributes to Her Majesty that you've seen in the wild. I'll start. pic.twitter.com/3fjJYK39op
— The author, Séamas O'Reilly (@shockproofbeats) September 8, 2022
Yeah… don’t think Thomas Cook quite thought this one through pic.twitter.com/6DWDPAGdrM
— Sam Jones (@SamJonesJourno) September 8, 2022
Not tweeting is always an option, brand managers. pic.twitter.com/nvDqA7k2vA
— Eliot Higgins (@EliotHiggins) September 8, 2022
この状況に、PRの専門家たちも苦言を呈する。ジャージー・ロード(Jersey Road)の共同創設者兼マネージングディレクター、ガレス・ラッセル氏は「今は充実した人生を送った女王に思いを巡らせ、悲しみ、追悼と感謝の意を表するとき。ブランドのポジショニングやプロモーションの機会ではない」というメッセージをリンクトインに投稿した。バッテンホール(Battenhall)のマネージングディレクター、ステファニー・ベネット氏も「このようなときは“威厳のある沈黙”で十分。コンテンツを一時的に停止することで敬意を表し、ゆっくり着実に、そしてブランドらしさを保ちながら再開して」とツイートした。
ゲレティ・アワードの結果発表
女性の視点から優れたクリエイティブワークを選ぶゲレティ・アワード(Gerety Award)の結果が発表された。ヴァイス・メディア「The Unfiltered History Tour」(電通ウェブチャットニー)がグランプリ(2部門)ならびにゴールド(2部門)を受賞した。
日本からは、ライフル「エコレート」(ライフル)がワーク・フォー・グッド部門のシルバーを、長崎新聞社「8.9」(電通)がコミュニケーション部門のブロンズを獲得している。詳しくはこちら(英語)。
日本のディスプレイ広告の半数以上がビューアブルでない IAS調べ
インテグラル アド サイエンス(IAS)がこのたび発表した2022年上半期の「メディアクオリティレポート」によると、調査を行ったほぼ全ての国でアドフラウドが増加した。特に日本はデスクトップ ディスプレイ広告のアドフラウドがシンガポールに次いで高く(3.3%、前年同期比0.7ポイント増)、これは世界平均(1.4%)の2倍以上だ。
さらにデスクトップ ディスプレイ広告のビューアビリティは、日本だけが48.4%(同6.4ポイント減)と、世界平均(71.5%)を大幅に下回る結果に。ディスプレイ広告の過半数がビューアブルでないことを示唆する数値だ。モバイルウェブのビューアビリティ(47.1%、同1.7ポイント増)は改善が見られたものの、世界平均(66.9%)と比較すると依然として大変低い。
リスク回避型の文化がクリエイティビティーの障害に WFA調べ
クライアント企業のマーケターの82%が、クリエイティビティーを「マーケティングの最も強力な武器」ととらえている一方で、「事業の成功に不可欠である」と考えているマーケターはわずか28%――。世界広告主連盟(WFA)がコンテイジャス(Contagious)ならびにオブザーバトリー・インターナショナル(The Observatory International)と共に実施した新調査「クライアントとクリエイティビティー」によって明らかになった。
クリエイティビティーを阻害する要因として、最も多く挙げられたのは「リスク回避の文化」(51%)で、「短期的な思考」(48%)、「意思決定者が多すぎる/責任の所在があいまい」(44%)、「予算削減」(40%)がこれに続く。
(文:田崎亮子)