David Blecken
2019年4月04日

世界マーケティング短信: 大きく変容するコンサルティング会社

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

写真:Shutterstock
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※記事内のリンクは、英語サイトのものも含みます。

アクセンチュア、クリエイティブプレイヤーへと変容

アクセンチュア インタラクティブがマーケティングサービス領域でさらなる高みを目指すべく、世界でも高く評価されるエージェンシー「Droga5」を買収することが明らかになった。世界クラスの独立系エージェンシーは非常に少ないこともあり、アクセンチュアはどのエージェンシーを買収するか、数カ月にもわたり検討を重ねてきた。

アクセンチュア インタラクティブのブライアン・ウィップルCEOはCampaignのインタビューで、同社が最優先するのは「心をとらえる消費者体験」であり、その達成のカギとなるのがDroga5であると語った。

ドロガ氏によると、2社は「この業界を完璧に把握し、方向性について意見を持ちたかった」とのこと。もちろん、アクセンチュアとDroga5ではカルチャーが全く異なるため、両社のパートナーシップは蜜月時代以降は簡単ではないだろう。今後1年間で何を達成したいかと尋ねられ、「最も重要なのは、シームレスな関係。カルチャーを共有し、野心も共有するのです」とドロガ氏。今後の動向に注目したい。

規制を望むザッカーバーグCEOに、芳しくない反応

フェイスブック創業者マーク・ザッカーバーグ氏が先週末、ソーシャルメディアに対する規制を政府に望んでいると述べた。対処すべき問題を、しっかり認識した発言のように聞こえる。だが一部のオブザーバーがこれを「過小かつ遅すぎる」と批判した他、責任を外部に丸投げしていると非難する声も。

香港城市大学メディア・コミュニケーション学部のマルコ・スコリック准教授はCampaignに対し、「主体的でなく、受け身の姿勢だ」とコメント。最も議論されるべきは、同社の主たるビジネスモデルがディスプレイ広告とユーザーデータに依存している点だという。「価値あるネットワーキングサービスを提供しているはずの同社が、サブスクリプション(定額制)やトランザクション(商取引)のような収益化戦略を見出せていないのは不可解なことです」

政府による規制は近々強化されるだろうとスコリック氏は考えているが、グローバルでなく国レベルで行われるだろうとのこと。担当する地方自治体の意欲に左右されることとなる。だが「ソーシャルメディアのパーティーは終わり、その後始末には時間も労力も要するでしょう」と付け加える。

フェイスブックは他にも、大量のユーザーデータがアマゾンのクラウド上に保管されていたことが発覚している。
 

「米国で最も愛されているブランド」 首位にアマゾン

モーニング・コンサルト(調査会社)が40万人を対象に実施した調査インタビューによると、「米国の文化と商業を形づくった」ブランドランキングで、全体ではアマゾンが首位に立った。世代別にみると、Z世代(1990年代後半~2000年生まれ)がトップに選んだのはグーグル、ミレニアル世代(1981~1996年生まれ)はネットフリックス、そしてベビーブーマー世代(1946~1964年生まれ)が選んだのは、驚くべきことにUPSであった。

今週は他にも、英広告業協会(IPA)が16~23歳の消費者サンプルを対象に実施した、Z世代の調査レポートも発表された。この調査からは、この世代の大多数が流行に関心を示さないこと、そして多くの人たちがSNS(特に「いいね!」を追い求めるような行為)や消費主義を軽蔑することが明らかになった。ブランドの選択肢が多すぎることに、6割が不満を示した。これはスポティファイやネットフリックスなど、個々のニーズに合わせてサービスを提供できるブランドにとっては朗報だろう、とレポート内で触れられている。

また「ブランドZ」レポートによると、中国国外で最も強い中国ブランドは、米国との対立が延々と続くファーウェイ(華為技術)であった。特に日本、フランス、スペインの消費者は、中国ブランド全般に対して、ますます好意的になってきているようだ。

今週のその他のニュース:

あなたは、価値に見合う給与を支払われているだろうか? アジア太平洋地域におけるコミュニケーションの専門家の年収は、平均14.3万米ドルだ。しかし男性の収入の方が通常、女性よりも15%高いことが、プロスペクトとパブリック・アフェアーズ・アジアのレポートで明らかになった。

ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)のブランド拡張施策には限界も。同社の創業者カーネル・サンダース(の着ぐるみキャラ)が、米マイアミで開催されたウルトラ・ミュージック・フェスティバルにDJとして出演。だが参加者たちの反応は微妙なものだった。

また、エアビーアンドビー(Airbnb)がルーブル美術館に宿泊できる特別企画を実施する他、パタゴニアが米テック企業や金融街で人気を集める同社の企業ロゴ入りベストを、環境に優しくない企業からは注文を受けないと発表した。

(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:田崎亮子)

提供:
Campaign Japan

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