Campaign staff
2018年8月31日

世界マーケティング短信:WPPの新CEOが決定

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

マーク・リード氏
マーク・リード氏

WPPの新CEOにマーク・リード氏を任命

関係筋が明らかにしたところによると、WPPは来週、新たな最高経営責任者(CEO)にマーク・リード氏を発表する。1989年にWPPに入社した同氏は有力候補であった。同社取締役会に通じる英国のあるオブザーバーは、「この職に興味を抱く候補者が十分にいない」とCampaignに語った。いずれにせよ、新しいCEOは同社の課題のみならず広告業界全体の課題とも向き合い、長く辛い道のりを歩むことになろう。

フェイスブックの動画プラットフォーム、アジアでデビュー

フェイスブックは今週、ユーチューブに対抗する新たな動画プラットフォーム「ウォッチ(Watch)」のサービスを、米国以外のアジア太平洋地域などで開始した。これはソーシャルエクスペリエンスのパーソナライズド動画を供給するもので、ユーザーは他の人々のコンテンツへのコメントを見ることができる。ウォッチはこの分野で若干出遅れ、米国でのスタートも難渋した感があるが、「ユーザーが視聴に費やす時間は、年初から14倍になった」(フェイスブック動画部門責任者)とのこと。フェイスブックは更に、動画広告プログラムである「アドブレイク(Ad Breaks)」と、コンテンツプロデューサーを対象とした「クリエイタースタジオ(Creator Studio)を世界規模で拡大させようと計画している。アドブレイクはパブリッシャーやクリエイターと収益を分かち合い、その45%を彼らが受け取れる仕組みだ。

アマゾンの新サービス、従来型メディアに挑戦

アマゾンがメディア企業という新たな方向に踏み出してから、1週間ほどが経った。テック系メディア「ジ・インフォメーション(The Information)」によると、同社は広告収入に基づいた無料の動画アプリケーションを計画中だという。名称は「フリーダイブ(Free Dive)」となるようで、古いテレビ番組の放映権獲得に動いているという。決してイノベイティブには聞こえないが、従来型の広告スペースが縮小する中、巨大テクノロジー企業による広告事業への更なる「侵犯」であることは間違いない。広告はアマゾンの中で最も急速に成長している分野で、現在は20億米ドル(約2200億円)超の規模。

車のウインドウをビルボードに

サンフランシスコのスタートアップ「グラブイット(Grabb-It)」が、ライドシェア用車両の後部ウインドウを広告スペースに利用するサービスを売り出している。走る車の適切なスペースを有効活用して歩行者に広告を見せようというもので、地元企業が対象。運転者は300米ドル(約3万3000円)が受け取れ、11月から全面的に開始される予定だ。だがこのサービスは、確実に物議を醸すだろう。「メディアイノベーション」として肯定的に捉えられる一方、自走車の中で乗客にコンテンツを提供しようという電通のアイデア同様、「行き過ぎ」の感もあるからだ。広告は既にありとあらゆる場所に存在し、そのほとんどを消費者は嫌悪している。広告を露出するスペースを常に探し続けるよりも、消費者が本当に見たいと思う広告作りに我々は注力すべきだろう。

音声技術、日本では不人気

広告代理店「アイプロスペクト(iProspect)」が行った調査によると、アジア太平洋地域の消費者の3分の2近くが既に音声技術を利用したか、現在も利用中だという。そのうちの半数以上は「毎日利用する」と回答。この調査は日本、中国、インド、インドネシア、シンガポール、豪州の18〜60歳の1800人を対象に行われた。「利用した、あるいは利用している」と答えた人の比率が最も低かったのは日本(40%)で、インド(82%)が最も高く、その次が中国(77%)だった。日本の人々が音声技術を利用しない最大の理由は、「恥ずかしいから」。その次に挙げたのは「言っていることが完全に理解できない」という、テクノロジーに対する不満だ。多くのマーケターは音声技術をエキサイティングな成長分野と見なしているが、ブランドがどのように活用できるかはまだ判然としない。言うまでもないのは、有意義な技術であることをブランドがきちんと認識すること −− 広告を露出できる新たなメディアとして捉えるのではなく −− だろう。

(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:水野龍哉)

提供:
Campaign Japan

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