
※記事内のリンクは、英語サイトも含みます。
高原での花火ショーは「正反対の価値観」と謝罪 アークテリクス
アークテリクス(Arc'teryx)がアーティストの蔡国強氏と共に、チベット自治区シガツェの高原で花火ショーを実施したところ、SNSに多くの批判が寄せられた。
ショーでは5色の花火で龍の形が作られたが、高原での大規模なパフォーマンスが環境に与える影響を懸念する声が噴出。アークテリクスは二日後に微博とインスタグラムで「今回のイベントは、私たちのアウトドアへの貢献や存在意義、人々や社会のためにありたいと考える姿とは正反対のものでした。このようなことが起きてしまったことは遺憾で、心よりお詫び申し上げます」と謝罪した。
アークテリクスはカナダ発祥のアウトドアブランド。フィンランドを拠点とするアメア スポーツ(Amer Sports)の傘下だったが、2019年に中国のスポーツ用品大手「アンタスポーツ(安踏体育用品)」がアメア スポーツを買収している。2025年上半期のアメア スポーツの売上高は27億900万米ドル(前年同期比+23.5%)で、特に大中華圏は同+42.4%と好調だった。
アマゾン、広告制作を自動化するAIツールを発表
アマゾンが、広告制作を自動化するAIツール「Creative Studio」を発表した。このツールにはリサーチ、コンセプト立案、ストーリーボード作成、短編の広告動画の制作などが含まれており、チャット機能を使い、自然言語による指示が可能だ。同社によると、早期に導入した企業は既に平均で12%の売上増を実現しているという。
「もたらされるのは、スピードだけではありません。かつて大手ブランドだけが享受できたような戦略的かつ高品質なクリエイティブサポートを、あらゆる広告主やエージェンシーに提供していきます」と、Amazon Adsのバイスプレジデントであるジェイ・リッチマン氏は語る。「大胆なアイデアを探求し、リアルタイムで連携し、プロフェッショナルな広告を実施できるようになります。しかも、追加費用無しで常時利用が可能です」。
約半数の買い物客が、劣悪なオンライン体験で離脱 VML調べ
消費者のほぼ半数(45%)が、オンライン体験の悪さを理由にネットショッピングでの購入を中止しているという。VMLの調査「The Future Shopper 2025」で明らかになった。大手小売業のオンライン体験の悪さに驚かされていると46%が回答。そして、企業は派手で必要のない機能に無駄な投資をしている一方、検索など基本的な機能が不十分だと、半数以上(53%)が感じている。
実店舗で製品を調べてネット購入しているのは49%、逆にネットで調べてから実店舗で購入しているのは64%で、オムニチャネルの購買体験が求められている。ネットで購入する最大の要因は価格であると、92%が回答した。
「買い物客は、シームレスかつ接続された体験を期待しています」と語るのは、VMLでアジア太平洋地域の最高コマース&コネクションズ責任者を務めるニック・パン氏だ。「特にモバイル端末において、情報の再入力や使いにくいインターフェースの操作をユーザーに強いると、フラストレーションを感じて離脱してしまいます」。
消費者がAIを使う目的として、18%が「商品のおすすめ」や「市場調査」を、そして16%が「購入に最適な場所を探すため」を挙げた。また37%が、食料品の買い物や配達、支払いについてAIに完全に任せたいと考えている。46%が、AIが生成したコンテンツであっても気にしないと回答しており、AIへの信頼が高まっていることがうかがえる。
AIを利用した購買が増えると衝動買いが抑制されるようになり、ブランドのマーケティングや広告にとって課題になるとパン氏は指摘する。「感情的なつながりやブランドのストーリーテリングに重きを置くマーケティングや広告にとって、これは大きな課題となります。ロイヤルティはもはや感情でなくロジックやデータによって決まるようになり、行動経済学が無効になる可能性が出てきます」。商品の価値、品質、関連性がAIの論理的な基準を満たさない場合は「フィルタリングされ、最終消費者の目に留まることはなくなるでしょう」。
(文:田崎亮子)