Yohei Harada
2016年8月18日

「18歳選挙」で、久々に注目される日本の若者世代

選挙年齢が18歳に引き下げられた、2016年7月の参議院選挙をきっかけに、「高齢者」の陰に隠れていた若者達に、社会の関心が向き始めているように見受けられます。

原田曜平氏
原田曜平氏

 今、世界各国の若者達が似かよってきた。
2005年ごろから中国の若者をウォッチし、その後東南アジアへと対象を広げるうち、世界中の若者が、すごく似てきていると感じました。おしゃれカフェへ行って、iPhoneをいじって、SNSを見る。
最近は欧米の若者も見ていますが、こちらも想像に反して日本に似ているんです!

例えば、アメリカの若者はみんなセレブに憧れて一攫千金をねらっていると勝手に思い込んでいる節がありますが、それはかなり昔の話。少なくともリーマンショック以降は崩れ去っている。今は日本の若者みたいにまったりしていて、別に車も要らないし、お酒もそんなに飲み過ぎないし、徒歩圏内にある隠れ家レストランを探すのが喜びみたいな状況になっていました。It’s a Small Worldじゃないですけれど、世界中の若者が近い状況になってきているんです。
 
若者に見る、“良い有権者”になるポテンシャル
世界中の若者が似てきた点のもうひとつの要因は、すごく不利益を被るジェネレーションになってきているということです。
将来もらう年金にしても、今の日本の18歳、19歳で言えば、払った分は戻ってこないことが確定しているわけで、これはすごくかわいそうな損失だと思います。どの国でも上の世代よりは自分たちは恵まれない世代だと答える人が多くなっています。別に上の世代がずるいわけではないのですけれども。ですから、もう少し政治に関心を持って、「それは不平等だ」「俺たちの意見も聴け」と主張したほうが、誰にとっても幸せな社会につながると思っているのです。
 
日本の若者は、外国の若者みたいに過激なデモを起こしたり、暴力的なことをしたりはしません。それこそ「さとり世代」(消費をしない、上昇志向がない、恋愛に淡白など現実を受け入れ「悟っている」現代の若者)じゃないですけど、のんびりしていればいいやって思っているのです。もともとすごく温和な民族というか国民性というのも大きいとは思います。
 
でも、彼らは、実はいい社会を、いい政治を行う上ですごく良い有権者になる可能性があると思っています。私利私欲がないからこそ、社会のことを考えられる土壌があるわけなのです。
自分たちもだんだん経済的に厳しくなっているから人の気持ちがわかるというのもあるでしょうし、SNSでいろいろな情報が入ってくるというふたつの理由が大きいと思うのですけれど。この点は期待したいところです。

今後は若者研究をさらにグローバルに拡大したい。
今後は、日本とどんどん似かよってくる、海外の若者たちについてさらに調べたいですね。先進国の中でも、ドイツとかイタリアとか。その次は中東とかもうちょっと違うエリアにも広げたいなと思っています。
あと、今の18歳を境に、「ゆとり世代」の次の世代が出現したことを直感しています。もうすこし自分の利益に対して「イエスノー」をはっきり持っている世代と言うか。今後、これについても本格的に研究したいです。

原田 曜平
博報堂
ブランドデザイン若者研究所リーダー

提供:
Campaign Japan

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