Ryoko Tasaki
2017年9月07日

家族の一員として寄り添うスマートスピーカー

女優になる夢を追いかける娘と、それに反対しつつも応援する父親のやりとりを描いた心温まるCMが9月6日、サッカー中継番組のハーフタイム内で流された。

不安な気持ちを抱えながらも女優を目指して旅立つ娘に、父親はスマートスピーカーに話しかけ、LINEで応援スタンプを送信。日が経ち、稽古中に怒られて部屋で泣く娘に、今度はスマートスピーカーを通じて「泣いているだろ。お前は無くとタヌキ顔になるぞ、笑え」と応援する。

スマートスピーカーといえば白色や黒色のシンプルな円筒形というのが定番だが、娘を駅に送る車のダッシュボードや、一人暮らしの部屋の中に置かれるスマートスピーカーは、LINEのクマのキャラクターとしておなじみの「ブラウン」の形だ。無機質な物体よりも親近感が湧き、モノというよりは家族の一員のように、会話が自然と生まれる様子が映し出される。

スマートスピーカー市場は、アマゾンやグーグル、アップルなどが次々と参入し、熾烈な競争が繰り広げられている。LINEは今年3月に独自のクラウドAIプラットフォーム「Clova」を発表し、これを搭載したスマートスピーカー「WAVE」の先行体験版が夏に発売されたばかり。CMに登場するクマ型のスピーカー「CHAMP」は、冬に発売予定だ。

Campaignの視点:
スマートスピーカー市場参入への出遅れ感が否めないLINEだが、CMで前面に打ち出すのはスペックではなく、人と人とのコミュニケーションだ。消費者が買うのは機能ではなく、その商品によって得られる価値や体験。娘を送り出した寂しさを隠すように「寂しくないぞ」とスピーカーに語りかけたり、父親からの不器用な応援に「クマのくせに」と返すように、会話が自然に生まれるという価値には、これまでスマートスピーカーの機能面には関心を示さなかった層も共感を覚えるだろう。

(文:田崎亮子)

提供:
Campaign Japan

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