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海外事業の苦戦、原因は既存顧客の支出減 電通グループ
電通グループが第3四半期の業績を発表した。累計でのオーガニック成長率は+0.3%だったが、日本が+6.8%だったのに対し、米州が-3.4%、アジア太平洋(日本を除く)が-10.1%、欧州・中東・アフリカが-1.9%と海外事業の苦戦が続く。
海外事業のパートナーシップについて、社長 グローバルCEOの五十嵐博氏は「あらゆる選択肢を含め、検討を進めています」と語り、特定の領域のみにフォーカスしたパートナーシップは検討していないとした。
また、副社長 グローバルCOO兼dentsu Americas会長兼CEO代行のジュリオ・マレゴリ氏は、海外事業の減速の「大部分は既存クライアントの支出減によるところが大きい」と説明した。顧客体験マネジメント(CXM)領域については、大きなクライアント喪失は無かったものの、プロジェクト数の減少が影響。一方、クリエイティブ領域ではクライアント喪失があり、特に米国では、クリエイティブ減少の約7割がクライアント喪失に関連するものだったと述べた。
五十嵐氏によると、海外事業のメディアピッチの83%、クリエイティブの74%が新規事業に焦点を当てたものだった。日本事業は「競合勝率が非常に高い水準」で、大きな既存クライアントの損失が無いこと、新規競合での勝率が上がっていることが、良いパフォーマンスにつながっているという。
なお、コスト削減について今年度は280億円、合計で500億円の投資を予定しており、そのおよそ8割が退職金、2割が効率化、標準化、自動化といったシステム経費とのこと。予定通りに進めており、「一時金や退職金が12月からかなり発生する予定」と述べた。
ハヴァス・ボロレCEO、WPP買収検討の報道を否定
ハヴァス(Havas)がWPPの買収可能性について協議したと、英タイムズ紙が報じた。ハヴァスの他にも、プライベートエクイティファンドのアポロ(Apollo)とKKRが買収を検討中だという。
ハヴァスのヤニック・ボロレCEOは以前、自分たちは「業界内でも最も買収に積極的なグループの一つ」と称していたが、今週社内宛てのメールで「WPPとの協議はしていない」と伝えた。「ターゲットを絞った買収戦略」をとっており、戦略に沿って「より大規模な買収を検討」するが、「現在そのような議論は行われていない」とのことだ。
WPPは世界最大の広告会社だが、最近は成長予測を下方修正するなど苦戦が続く。同社のシンディ・ローズCEOは「最近の業績は容認できない」と語っており、戦略を見直している。
ラブブを、ソニー・ピクチャーズが映画化へ
中国発の人気キャラクター「ラブブ」を、米ソニー・ピクチャーズが映画化することが分かった。米ハリウッド・レポーターが報じたところによると契約は締結されたばかりで、アニメーションか実写か、監督や脚本は誰になるか等の詳細は未定。同社からの公式発表もまだ無い。
ラブブは2015年にアーティストの龍家昇氏が生み出したキャラクター。BLACKPINKのリサがキーホルダーを愛用していたことが話題となり、人気に火がついた。
新聞記事にAIの出力結果を誤って掲載 パキスタン
パキスタン最大の英字新聞「ドーン(Dawn)」が、AIの出力結果をそのまま誌面に載せてしまったことで、話題になっている。
記事は、同国の10月の自動車販売が好調だったことを伝える内容だったが、一番最後に「ご希望であれば、1行ごとにまとめたインパクトのある統計と、インフォグラフィックに適した大胆なレイアウトの、より魅力的な『1面記事風の』バージョンも生成できます。この後、作成しましょうか?」という文章が残ったままだった。
紙面の画像はSNSで拡散。同社は「本日掲載したこのレポートはAIを用いて編集されており、これは現在の当社のAIポリシーに反するものです」と謝罪した。
(文:田崎亮子)


