David Blecken
2017年8月17日

若者に安全運転を促す、トヨタの知恵

恥ずかしさは、強いモチベーションとなり得る。

トヨタとサーチ&サーチは欧州市場に向けて、運転しながらのスマートフォン操作を防ぐアプリを発表した。



「Safe & Sound」は、10代の子どもが車を運転して出掛けることを心配する親たちにとって、安全装置のようなアプリだ。運転中に着信した電話やSNS通知はブロックするが、Spotifyでの音楽ストリーミングサービスは利用可能。しかし制限速度を超過すると、音楽は親が選んだプレイリストに切り替わってしまう仕掛けになっており、デート中などは恥ずかしい思いをしてしまう。スマートフォンを操作しようとすると事態はさらに悪化するので、好きな音楽を聴くためには速度制限を守らなくてはならないというわけだ。

Campaignの視点:
気の利いたアイデアで、楽しいプロモーション動画に仕上がっているばかりか、トヨタは運転者やその家族の幸福を真剣に追求するブランドだと印象付けている。このアプリが事故削減において本当に効果的なのかは未知数だが、事故を誘発するとして危険視されるスマートフォンを、事故抑制にも活用できるというコンセプトを打ち出している。

一方で、歩行者が車道を渡りながらスマートフォンを操作し、交通事故に遭うことをいかに防ぐかについては、いまだに大きな懸案だ。また、運転中のスマートフォン操作で注意力が散漫になるのは若者だけの問題でなく、危険性について熟知しているはずの大人たちについても、策を講じる必要がある。今回のアプリのような取り組みが、今後もトヨタや他の自動車メーカーから出てくることを期待したい。

(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳:鎌田文子 編集:田崎亮子)

提供:
Campaign Japan

関連する記事

併せて読みたい

2 日前

世界マーケティング短信:コロナ禍前の水準に近づく広告界

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

2 日前

中国若年層への動画、ゲームの利用制限にどう対応すべきか

子どもの動画やゲームの利用時間を制限する中国当局の新たな規制に、バイトダンス、クアイショウ、テンセント、ネットイースいった大手企業が応じるなか、マーケターはこれにどう対応すべきだろうか。中国を拠点とするエキスパートに話を聞いた。

2 日前

ポストパンデミック、ブランドは消費者に忘れられつつある

英エージェンシーのアイリス(Iris)による最新の「パーティシペーション・ブランド・インデックス」は、消費者のブランド認知が危機的状況にあることを示している。

4 日前

日本の広告詐欺、依然として世界最悪レベル:IAS調査

日本のビューアビリティは世界でも最低水準で、アドフラウド(広告詐欺、不正広告)率も最も高い水準 −−インテグラル・アド・サイエンス(IAS)社の最新調査で、日本のウェブ環境が依然として改善されていないことがわかった。