Ryoko Tasaki
2018年6月18日

Airbnbの「新しい旅」

日本の旅行のあり方を模索する旅は、まだ始まったばかり。

民泊最大手「Airbnb」の色鮮やかな15段広告が6月15日、日経新聞など全国紙に掲載された。「新しい旅のはじまり」と題された広告には、新しい旅を楽しもうとするゲストや、家を開放してくれるホスト、迎え入れてくれる地域の人々などへの感謝が文章でつづられている。

この日は、住宅宿泊事業法(民泊新法)と改正旅館業法の施行日。特に前者は、全国的に民泊を解禁するもので、無許可での営業が横行していた現状を大きく変えると期待されている。だが一方で、年間の営業日数の上限や、確保すべき床面積が厳しく定められ、罰金額も大幅に引き上げられることに。無許可施設のサイト掲載取り消しや、既に入っていた予約のキャンセルなどの混乱も見られた。

同社の共同創業者であるネイサン・ブレチャージク氏は14日の記者発表会で「6月15日は日本で初めてホーム・シェアリング・エコノミーが正式に立ち上がる日」で、民泊が中長期的に普及していくために、新法の施行はプラスだと語った。

同社は新聞広告と同じメッセージを動画にまとめたものをウェブサイト上に公開。新法の詳しい解説や、申請に関する情報ソースへのリンクなども、併せて掲載されている。

Airbnbの世界市場における広告代理店は、昨年9月からワイデン・アンド・ケネディに交代している。

Campaignの視点:
民泊施設として満たすべき要件が厳しくなり、ホスト側の届出が間に合わず掲載物件が削除されたり、ゲストが入れた予約がキャンセルされるなど、両者を巻き込んだ混乱が多く報じられ、民泊仲介業にとって短期的なイメージダウンにもつながった、今回の新法施行。民泊業の長期的な発展のために必要な基盤整備とはいえ、一時的に民泊物件が大幅に減り、旅館やホテルにとって有利にもみえる状況だ。だが今回公開された動画には、民泊ならではの人と人との交流や日常風景が、Airbnbらしい温かみのあるタッチで描かれている。

民泊は新しい旅のあり方を求める旅行者と、それを受け入れるホストたちに支持されてきたスタイル。この潮流を牽引してきたAirbnbが、今回の法整備を前向きにとらえてチャレンジしていくこと、そして人と人との交流がベースにあることが、強く打ち出された新聞広告と動画だ。

(文:田崎亮子)

提供:
Campaign Japan

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