Daniel Farey-Jones
2019年10月11日

「グループエムとWPPは等価値」:マーティン・ソレル卿

WPPグループの株式を今でも保有する同社前CEO、マーティン・ソレル卿。その真意をテレビ番組の中で語った。

「グループエムとWPPは等価値」:マーティン・ソレル卿

ソレル卿は約2億1千億米ドル(230億円)相当のWPP株を保有する。同氏は先週、ビジネスニュース専門チャンネルCNBCの番組に出演、その理由は「清算価値の潜在性にある」と語った。

同氏はWPP全株式の1.4%を保有する個人筆頭株主。番組司会者であるスティーブ・セジウィック氏が、「WPPは既に存在意義を失ったのか」「なぜ今でも株主なのか」などと質問した。

これを受けたソレル卿は、「WPPは劇的に変わらなければならない」と前置きしつつ、「極めて興味深いのはグループ傘下でメディアプランニングとバイイングを行っているグループエムだ」と語った。

「グループエムの企業価値はおそらく150億ドルに上るだろう。これはWPPグループ全体の時価総額に匹敵する」。10月7日時点でWPPの時価総額は122億1千万英ポンドで、ドルに換算すれば150億5千万ドルになる。

「今は負債があるので、企業価値はもっと高いはず。だがあなたの質問に対する答えは、グループエムやWPPの清算価値、時価総額だ。これまで久しく見たことのないレベルになってきている」

「ピュブリシス はエプシロン(米アライアンス・データ・システムズのマーケティング部門)を40億ドルで買収し、第2四半期(4〜6月)の収益を4%減らした。クレディ・スイスは昨日、ピュブリシス の企業価値評価を下げた。買収発表後の月の収益は減るものだ。既存分野でのプレッシャーは相当なものだろう」

同氏は昨年、新会社S4キャピタルを設立。注力するデジタル制作やデジタルメディアといった成長分野と、「既存分野」との対比を強調する。

「我々S4キャピタルは真っ白な紙の状態だ。売上高は40%、45%と伸びており、勢いを伸ばして今年下半期に突入している。米国の広告市場の統計データを見てみると −− IPG(インターパブリック・グループ)が出した今年上半期の結果だが −− 市場全体は6%増で、デジタルは20%増、従来型事業は3%減。よって鍵は、変革にどのように対応するかということだ」

(文:ダニエル・ファレイ・ジョーンズ 翻訳・編集:水野龍哉)

提供:
Campaign UK

関連する記事

併せて読みたい

2 日前

世界マーケティング短信:コロナ禍前の水準に近づく広告界

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

2 日前

中国若年層への動画、ゲームの利用制限にどう対応すべきか

子どもの動画やゲームの利用時間を制限する中国当局の新たな規制に、バイトダンス、クアイショウ、テンセント、ネットイースいった大手企業が応じるなか、マーケターはこれにどう対応すべきだろうか。中国を拠点とするエキスパートに話を聞いた。

2 日前

ポストパンデミック、ブランドは消費者に忘れられつつある

英エージェンシーのアイリス(Iris)による最新の「パーティシペーション・ブランド・インデックス」は、消費者のブランド認知が危機的状況にあることを示している。

4 日前

日本の広告詐欺、依然として世界最悪レベル:IAS調査

日本のビューアビリティは世界でも最低水準で、アドフラウド(広告詐欺、不正広告)率も最も高い水準 −−インテグラル・アド・サイエンス(IAS)社の最新調査で、日本のウェブ環境が依然として改善されていないことがわかった。