Ryoko Tasaki
2023年3月30日

世界マーケティング短信:アリババグループが事業6分割へ

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

世界マーケティング短信:アリババグループが事業6分割へ

※記事内のリンクは、英語サイトも含みます。

アリババグループ、創業以来で最大規模の組織再編

中国のアリババグループ(阿里巴巴集团)が、6つの部門に分割する。時価総額が2,280億に達する同社が、クラウド、中国国内のオンラインショッピング、スマート物流、海外でのデジタルコマース、ローカルサービス、デジタルメディア&エンターテインメントの6つに分かれる。それぞれのグループにCEOや取締役会を置き、外部資本の調達やIPO(新規株式公開)も視野に入れる。

創業からの24年間で、今回の組織再編は最大規模となる。創業者のジャック・マー(馬雲)氏は2020年10月に中国の金融当局を批判し、その直後に予定していた傘下の金融会社アント・グループの370億ドル規模のIPOが延期に追い込まれていた。

TikTokの公式アカウント、公聴会での証言内容を連続ツイート

ティックトック(TikTok)のCEOであるショウ・ジ・チュウ(周受資)氏が先週、米議会下院の公聴会で初めて証言した。利用者の情報が中国政府に流出しているとの懸念を否定するものだったが、公聴会は同社にとって「災難」で、今後アプリの禁止を求める声がさらに高まる可能性があると、ウェドブッシュ・セキュリティーズ(Wedbush Securities)のアナリスト、ダン・アイヴス氏は述べている。

ティックトックの広報チーム(@TikTokComms)はツイッター上に、チュウCEOの証言の要点を連続でツイート。米国内の1.5億人超のユーザー、特に10代のユーザーの安全を最優先にすることや、外国からの不正アクセスを防ぐファイヤーウォールを構築することなどを強調した。

また同社の米州担当ポリシーコミュニケーション責任者のブルック・オーバーウェッター氏も、公聴会に合わせてライブツイートを行った。

8つの新興国からデジタルネイティブ10億人が市場に参入

アクセンチュアがバングラデシュ、エジプト、エチオピア、インド、インドネシア、ケニア、ナイジェリア、フィリピンの3,000名を対象に実施した調査によると、8つの新興国からは今後、10億人を超えるデジタルネイティブの消費者が市場に参入してくる。6~26歳の人口は、8カ国全体の人口の36%を占める。

これらの国々でeコマースの収益は2017年から4倍に伸びたが、一方でデジタルファーストな世代に多国籍企業の多くが対応しきれていないとも同調査は指摘する。つまり若い消費者のニーズを満たすことができる企業に、チャンスがあるといえる。だが「実店舗からオンラインでの小売りへと数十年をかけて着実に進化していく、西側諸国の消費モデルに基づいた戦略は、彼らには通用しません」と語るのは、アクセンチュア ソングのグローバルコマース担当リーダー、ファビオ・ヴァシルカ氏。「企業はデジタルファーストに移行し、古いレガシーアプローチを飛び越える必要があります」。

同調査では他にも、これらデジタルネイティブ世代の8割がソーシャルメディアを利用して購入前に調べていること、76%にとって「いいね!」や良いコメントが購入の決定打となること、返品ポリシーの容易さが購入決定に重要な影響を与えることといった特徴を紹介している。

(文:田崎亮子)

提供:
Campaign Japan

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