David Blecken
2019年4月25日

世界マーケティング短信:フェイスブックとツイッター、逆風に負けず

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

世界マーケティング短信:フェイスブックとツイッター、逆風に負けず

※記事内のリンクは、英語サイトのものも含みます。

ツイッターの広告収入は増加

2019年第1四半(1–3月)期のツイッターの広告収入は18%増の6億7900万ドルだった。広告収入は総売上の86%を占め、広告取引も23%増加。その一方で、月間平均ユーザー数は2%減って3億3000万人に。同社は現在、ユーザー数のカウントに「マネティザブル(monetizable =収益につながる)デイリーユーザーズ」という新しい指標を用いている。「フェイクユーザーや重複ユーザーを見極めるための取り組み」としているが、「ユーザー数を粉飾するため」とアナリストは批判している。

テック史上最大の罰金を科せられたFB、広告収入は増加

第1四半期の売上、ユーザー数ともに伸びが堅調だったフェイスブック(FB)。だが米連邦取引委員会より30億米ドル(約3100億円)の罰金支払いを求められ、収益は大きな打撃を受けた。この罰金はケンブリッジ・アナリティカ社問題に関わるもの。FBは収支報告の中で、「罰金総額は最終的に50億ドルに上るだろう」と述べている。にもかかわらず、第1四半期の広告収入は前年同期比26%増の149億1千万ドルだった。同社にとって広告収入は、実質的に総売上を意味する。3月現在の平均デイリーアクティブユーザー数は15億6千万人で、前年同期比8%増。また、メディアでのネガティブな報道もFBで働きたいと思う人々には影響を与えなかった。3月現在FBは3万7773人を雇用し、前年同期比36%増だ。

その一方、スナップチャットの親会社であるスナップも第1四半期は好調で、売上は39%増の3億2000万ドル。スナップチャットのプレミアムなコンテンツセクション「ディスカバー」を利用しているブランドは前年同期比15%増となった。「米国では13〜24歳の90%、13〜34歳の75%がこのコンテンツを利用している」と同社。これは驚くべき数字だが、購買力に関して広告主にとって魅力があるのは、このオーディエンスの限られた人数であることを忘れてはならない。

世界で最も優れた雇用主はグーグル

ユーガブ(YouGov)の調査によると、世界の被雇用者が最も働きたいと思うブランドにグーグルが再度選ばれた。被雇用者が選ぶ今年のベストブランドランキングで、グーグルは38カ国中23カ国でトップ10入り。調査結果は「どのブランドで働くことを誇りに思うか」「同じく、恥に思うか」という質問に対する答えを集計したもの(残念ながら、後者のリストは発表されなかった)。日本では全日空が首位になり、以下、楽天、パナソニック、アップル、帝国ホテル、日本航空、グーグル、ソニー、シャネル、ナイキと続いた。また、「最も評判が回復したブランド」には東芝が選ばれた。

競争が激化する日用消費財メーカー、マーケティングへの投資を増やす

P&Gの四半期決算についてジョン・モエラーCFOは、日用消費財業界での健全な競争により、同社や競合他社はマーケティング支出をグローバル規模で拡大させていると語った。具体的な数字は示されていない。P&Gの2019年1~3月の売上は165億米ドルで、為替レートやM&Aによる影響を考慮すると、前年同期比で5%増となる。

支出額を増やすのと時を同じくして、同社のマーク・プリチャード氏(チーフ・ブランド・オフィサー)は、グーグルやフェイスブックなどテック大手を「広告主に安全な環境を与えていない」と批判し、対立中だ。

マーケティングは今後もユニリーバで、中心的役割を担うこととなりそうだ

ユニリーバに35年勤めたキース・ウィードCMOが今年退いたことを受け、同氏の役割がそのまま置き換えられることは無いだろうとオブザーバーは推測していた。しかしアラン・ジョープCEOは第1四半期の決算発表の業績発表により、これらの噂を一蹴。「ユニリーバのようなマーケティング主導型の企業で、マーケティングの代表者が経営陣にいないなんていう状況は想像しにくい」と同氏はCampaignに語った

だが、マーケティングの役割については「大きな構造改革が起こるだろう」とも。「これまで100年間、我々は生活者を一方的に邪魔するインタラプション型の広告を発展させてきました。しかし、このようなモデルは完全に変わり、我々は未来を見据えています。まずは、明確な意図のあるブランドコンテンツという、広告でない形になると考えています」

WPPのリードCEO、昨年370万ポンドを稼ぐ

WPPのアニュアルレポートによると、マーク・リードCEOは2018年、少なくとも5.36億円相当の報酬を手にしたことになる。報酬には、6月の「特別報酬」150万ポンド(約2.17億円)、ワンダーマン代表としての業績関連の報酬125万ポンド(約1.8億円)、WPPのCEOを務めた4カ月間の報酬96.5万ポンド(約1.4億円)などが含まれる。世界最大の広告会社である同社は、2017年は158億ポンド(約2.28兆円)の収入であったが、2018年は156億ポンド(約2.26兆円)に下落した。

WPPは現在、変革の真っただ中にあり、現時点では得失相半ばする結果となっている。マーク・リード氏は、WPPを「クリエイティブ・トランスフォーメーション・カンパニー」に変えたいとレポート内で改めて述べているが、結局のところ他の主要持株会社とあまり変わらない主張となっている。

今週のその他の動き:

Airbnbが世界的メディア企業、スターコムとの協働を見直している。今後アジアでは、電通イージス・ネットワークがそのいくつかの事業を担っていくという見方がもっぱらだ。

大々的に宣伝されていた「ギャラクシー・フォールド」に欠陥が見つかり、サムソンのブランドレピュテーションが傷ついている。結局は「スピード感」よりも品質が大切、ということを再認識させられる一件だ。

ウィンブルドン選手権(全英オープンテニス)の名物、「ストロベリークリーム」が大会の宣伝に使えなくなる。ジャンクフードの広告規制にひっかかったためで、英国で人気のスナック菓子の広告もロンドンの地下鉄で禁止となった。

(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:田崎亮子、水野龍哉)

提供:
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