David Blecken
2019年2月28日

日本の「知的層」の間で信頼度が上昇:エデルマン調査

信頼度の格差が調査史上最大となった日本。だが一方で、海外における「ジャパンブランド」への信頼度は上昇している。

(写真:Shutterstock)
(写真:Shutterstock)

日本人の自国に対する信頼度が「知識層」と「一般層」の間で二極化しており、その差が広がっていることが、エデルマンの調査「トラストバロメーター」最新版で明らかになった。

政府、企業、NGO/NPO、メディアの4組織に対する信頼度を調べたところ、両者間の格差は16ポイント(知識層53%、一般層37%)で、これは調査史上最大だという。知識層における信頼度は昨年より7ポイント上昇し、エデルマンの指標による国民の信頼度が「低い」から「中立」へと変わった。

だが全体を見渡すと、日本国民の信頼度は依然として低い。「日本において社会システムは機能している」と思う人は、知識層・一般層とも15%にとどまる。調査を実施した26カ国の平均では、自国は「正しい行いをする」と信頼していると回答した割合が知識層の63%、全回答者の52%であった。国民からの信頼度が高い国のトップ3は中国、インド、インドネシアであった。

日本人の自国に対する信頼度は女性が34%、男性が44%で、男女間の信頼度には大きな格差が存在。男女とも、最も信頼している機関は「企業」(女性40%、男性47%)、最も低かったのは「メディア」(女性30%、男性41%)であった。

エデルマン・ジャパンのグローバル調査部門エグゼクティブディレクター、トニア・リーズ氏は都内で行われた結果発表の場で、日本は他国と比較すると安定したイメージがあり、このことが信頼度のゆるやかな上昇に寄与したのではないかと示唆。一方で、社会階層間や男女間で「考え方が非常に異なる」ことも明らかになった、とも。

日本で最も信頼されているのは「自分の勤務先」で59%だが、これは26カ国平均(75%)と比較するととても低い。

「CEOは政府から変革を迫られるまで待つのではなく、自ら変革を主導するべき」と考えている回答者は64%で、前年より11ポイント上昇したことも明らかとなった。変化を求める機運が高まっており、「本当に必要とされている変化をもたらすためには、権力を持った強い改革者が必要である」に賛同した知識層は62%(4ポイント上昇)。
雇用主はもっと「先行きがとても不透明な時期にこそ、確実なことを」多少なりとも提供することで、一丸となって動いてくれる社員をより増やすことができるのではないか、とリーズ氏は考えている。また、自社のCEOより一般社員の方が信頼度が高く、従業員を優遇することで知られる企業は、信頼度も高くなる傾向があるとも述べた。フェイスブックのコンテンツモデレーター(不適切なコンテンツの監視と削除を担当)が、契約社員として不当に扱われ、過酷な労働環境で働かされていることが繰り返し告発されていることを、リーズ氏は例として挙げた。

日本は将来を楽観視しないことで知られているが、今回の調査でもその傾向は顕著だ。自分と家族の経済的な見通しについて、「5年後の状況が良くなっている」と回答したのは知識層16%、一般層38%であった。これはグローバル(知識層49%、一般層63%)と比較すると非常に低い割合といえよう。

日本企業や政府の不祥事が立て続けに明るみになったが、それでも信頼度が上昇したことは朗報だろう。日本に本拠地のあるグローバル企業に対する信頼度は69%(スイス・ドイツ・カナダ企業への信頼度が最も高い70%。一方、中国は40%、インドは39%と信頼度は依然として高くない)。日本企業に対する信頼度が特に高かった国はアラブ首長国連邦、インドネシア、インドであった。

だが日本人の日本企業に対する信頼度はわずか64%で、前年より2ポイント下降した結果となった(下降傾向を示したのは日本人のみ)。

トラストバロメーターの調査対象は、グローバルで33,000名以上。中国と米国のサンプル数は500名、その他の国(日本を含む)は200名であった。

(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:田崎亮子)

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