Ryoko Tasaki
2016年11月09日

ACC賞:シェアされた話題のコンテンツが多数受賞

権威あるCMコンクールで上位賞を獲得した作品の多くは、SNSなどで注目を集め拡散された、おなじみの話題作だった。

au ガラホ 海の声篇(KDDI)
au ガラホ 海の声篇(KDDI)

全日本シーエム放送連盟(ACC)が9月末、「2016 56th ACC CM FESTIVAL」の入賞作品を発表した。1961年に創設された日本最大のCMコンクールの一つである同賞に、今年は2,685本もの応募が集まった。

フィルム部門Aカテゴリー(テレビCM)のグランプリは、KDDI auの三太郎シリーズの「auガラホ海の声篇」他12作品。新キャラクターの登場や予想外の展開があるたびに、何かと話題になってきたシリーズだ。フィルム部門の審査委員長、古川裕也氏(電通)によると、「ゴールドだった去年より明らかに進化していた」とのことで、圧倒的多数ですんなり決まったという。



また同カテゴリーの「地域賞」には、大分県「おんせん県おおいた」の「シンフロ」など6作品が選ばれた。



同部門Bカテゴリー(オンラインフィルム)でグランプリに輝いたのは、END ALS「I’M STILL」。筋萎縮性側索硬化症(ALS)の認知・理解促進を目的に、患者自らが一般公開の写生イベントを開催し、絵画モデルを務めた様子を納めたドキュメンタリー映像で、「フィルム・クリエーションの領域を明らかに拡張した」(古川氏)。また創設から2年目となったこのカテゴリーは、「応募数の増加だけでなく、ずいぶん豊饒な作品群になった。クオリティーとダイバーシティーである」と語る。



ラジオCM部門のグランプリには、十代の少年と少女による甘酸っぱいやりとりが話題となった、大日本除虫菊の「蚊がいなくなるスプレー、キンチョール、プレシャワー」の「金鳥少年シリーズ(その1/その2/その3)」が選ばれた。「圧倒的な原稿力、演技力が放送時にネットでも話題になっていた作品」とラジオCM部門審査委員長の澤本嘉光氏(電通)。また「今やラジオCMはただ流すだけでなくコンテンツとしてネットで拡散する時代になったという象徴になっているものが選べた」という。

マーケティング・エフェクティブネス部門では、アキタ「きよらのたまご」キャンペーンがグランプリを受賞した。このキャンペーンは、卵で作った布団をかけてほしいと訴えるチキンライスでできた「寝冷えネコ」がかわいらしいと、テレビCMが話題になり、実際に作ってみてSNSに写真を投稿する人が続出。またレシピサイト「クックパッド」では「寝冷えネコ」の作り方の他、同商品を使ったレシピの公開や、バナー広告の掲載などを立体的に展開した。一連の企画を「絶妙に掛け算することで、熾烈な価格競争が繰り広げられる卵売り場で、瞬間風速でなく『継続的に!』指名買いを実現し、大幅な売り上げ増につなげた事が、高評価となりました」と、審査委員長の土橋代幸氏(トヨタマーケティングジャパン)は語る。

インタラクティブ部門において満票でグランプリを獲得したのは、宮崎県小林市の移住促進PR「ンダモシタン小林」だ。委員長の須田和博氏(博報堂)によると、「規模ではない知恵のアプローチ、フィルムとしてウェルメイドながら、YouTubeという再生環境を仕掛けとして企画の内に取り込んでいる見事さなどが、全審査委員一致の推挙の理由であろう」。同カテゴリーは「今までの広告の形をしていないモノを探したい」というテーマを掲げ、審査委員にも多様性をもたせたという。



入賞作品は11月30日の東京発表会を皮切りに、全国30カ所での上演・公開が予定されている。

(文:田崎亮子)

提供:
Campaign Japan

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