David Blecken
2019年1月18日

Airbnbと都電が、昔ながらの暮らしをプロモート

世界最大の巨大都市に今も残る生活文化の魅力を伝えるべく、東京都交通局とエアビーアンドビー(Airbnb)が協働する。

Airbnbと都電が、昔ながらの暮らしをプロモート

都営交通が運営する都市交通と、エアビーアンドビーのホストたちが提供する文化体験プログラムのプロモートのため、両者が共同イニシアチブ「TODEN LIFE TOURISM」を発足させた。

このプロジェクトでフォーカスするのは、三ノ輪橋~早稲田間(12.2km)を走る「東京さくらトラム」(都電荒川線の愛称)だ。交通局によると、この線は都内に残る唯一の都電なのだとか。エアビーアンドビーはこの沿線の、三味線演奏や工芸教室、ワークショップなど5つの体験を提案している。

交通局は、これらのワークショップに参加した外国人観光客の様子をおさめた動画を公開し、体験プログラムの開発と登録を呼びかけている。エアビーアンドビーは特設サイト(日本語)を開設している他、常設サイトの「体験」コーナーから探すこともできる。

Campaignの視点:
エアビーアンドビーにとって、新たなオーディエンスに向けて認知度を高める上で効果的だ。同社の事業は日本を含むさまざまな市場で論議を巻き起こしたが、日本社会にどのように貢献できるかを訴求するチャンスでもある。東京都にとっても、あまり有名でない地域に観光客を呼び込めるメリットが見込まれる。「破壊的」な革新者として否定的な文脈で語られることもあるエアビーアンドビーとの連携に、自治体が価値を見出しているというの心強い兆候だ。

(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:田崎亮子)

提供:
Campaign Japan

関連する記事

併せて読みたい

1 日前

世界マーケティング短信:Cookie廃止の延期、テスラの人員削減

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

2 日前

大阪・関西万博 日本との関係拡大・強化の好機に

大阪・関西万博の開幕まで1年弱。日本国内では依然、開催の是非について賛否両論が喧しい。それでも「参加は国や企業にとって大きな好機」 −− エデルマン・ジャパン社長がその理由を綴る。

3 日前

エージェンシー・レポートカード2023:カラ

改善の兆しはみられたものの、親会社の組織再編の影響によって、2023年は難しい舵取りを迫られたカラ(Carat)。不安定な状況に直面しつつも、成長を維持した。

4 日前

私たちは皆、持続可能性を前進させる責任を負っている

持続可能性における広告の重要性について記した書籍の共著者マット・ボーン氏とセバスチャン・マンデン氏は2024年のアースデイに先立ち、立ち止まっている場合ではないと警告する。