Jessica Heygate
2022年5月19日

Disney+、第2四半期の新規契約者数は予測を上回る増加

ストリーミングサービスのDisney+は、新規契約者数とユーザー1人あたり売上で堅調な伸びを示した。成長の主要因はアジアで展開するDisney+ Hotstarであり、苦戦するライバルのNetflixとは対照的な結果となった。

Disney+、第2四半期の新規契約者数は予測を上回る増加

Disney+の2022年度第2四半期(4月2日締め)は、新規契約者数の増加が予測を上回り、790万人の新規ユーザーを獲得した。一方、ライバルのNetflixは同じ期間に、過去10年間で初めての顧客減少を経験した。

Disney+は5月11日、投資家への第2四半期決算報告において、有料視聴者数が世界で1億3770万人に達したと発表した。これはアナリストの予測を270万人上回る数字だ。新規契約者の内訳を見ると、約36%がDisney+ Hotstarの契約者で、32%が米国およびカナダの契約者、31%がそれ以外の国々だった。

ディズニーが、アジアで展開しているストリーミングサービス、Disney+ Hotstarは、第2四半期の同社の新規加入収益の半分以上を占めた。同社の最高財務責任者(CFO)であるクリスティーン・マッカーシー氏は、新規収益増加の一因として、インドにおけるクリケットのプレミアリーグのシーズン開幕を挙げている。

対照的に、Netflixは2022年第1四半期(3月31日締め)の3ヶ月間で契約者が20万人減少し、250万人増加という当初の予測からは程遠い結果となった。Netflixは、第2四半期には世界の有料契約者が200万人減少するだろうという未曾有の予測を発表しており、最高経営責任者(CEO)のリード・ヘイスティングス氏は成長のテコ入れのため、広告付きプランの導入を検討中であると明かしている。

今年3月、ウォルト・ディズニー・カンパニーも、Disney+の広告付きプランを米国で年内に導入し、2023年には全世界に拡大する予定だと発表している。

ディズニーのCEO、ボブ・チャペック氏は、投資家に対し、広告付きプランの導入は「すでにほとんど準備を終えて」おり、スケジュール通り「順調に」進んでいると語っている。

「ESPN+のストリーミング技術や、Huluでの経験、ソフトウェアを組み合わせることで、当社の広告配信機能の主要部分は、すでに広告付きプランを展開する準備が整っていると考えている。新たに獲得すべきものや、新たに開発すべきことはない。計画はきわめて円滑に進んでいる」と、チャペック氏は述べた。

ディズニーは、広告付きプランによって、Disney+のユーザー1人あたりの平均売上(ARPU)が上昇し、これが、2024年度の黒字化という目標の達成に寄与することを期待している。現在同社は、黒字化という目標の達成に向けて順調に進んでいると、マッカーシー氏は話す。

「広告付きプランによって、Disney+の料金価格帯を拡げることで、我々はさらに広いオーディエンスにリーチできるようになるだろう(中略)広告付きプランには付加的メリットがあり、価格を低く押さえながら、広告収入でユーザー1人あたりの売り上げを補うことができる。その後、時間の経過とともに、料金は段階的に引き上げることができるだろう」と、チャペック氏は述べた

Disney+契約者のARPUは、第2四半期に9%上昇した。これは主として、Disney+ HotstarのARPUが55%という大幅な上昇を示した結果だ。それに対して、米国およびカナダのユーザーのARPUは5%の上昇にとどまった。

マッカーシー氏によると、サブスクリプションによる収益増加は、Disney+の成長を支える番組制作やマーケティング、技術開発等のコスト上昇によって、ある程度相殺されるのだという。

ディズニーがD2C(Direct-to-consumer)事業によって直接消費者から得る収益は、第2四半期に23%増加して49億ドル(約6325億円)となった。しかし、営業損失も6億ドル(約774億円)から9億ドル(約1162億円)へと増加している。

D2C事業の番組制作費は、第3四半期には対前年比で9億ドル(約1162億円)以上増加する見込みだと、マッカーシー氏は述べている。Disney+およびHuluのオリジナルコンテンツ制作費、スポーツ放映権料、Hulu Liveの番組制作費等がいずれも上昇しているためだ。

ディズニーのコンテンツ販売およびライセンス販売による売上は、他社のストリーミングサービスからオリジナルコンテンツをすべて引き上げるという決定の影響で、今後も減少が続く見通しだ。第2四半期のコンテンツ売上、ライセンス売上およびその他売上は、3%減少して19億ドル(約2452億円)となり、営業利益も3億1200万ドル(約403億円)から1600万ドル(約20億6500万円)へと急落した。

提供:
Campaign; 翻訳・編集:

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