Ryoko Tasaki
2020年12月18日

「まさか私が…」 マッチングアプリで出会った二人の物語

マッチングアプリで出会った素敵な人との会話や、幸せそうな表情に、視聴者も思わず引き込まれていく。これこそが、このキャンペーンの目指すところなのだ。

これは、マッチングアプリを使って出会ったブランドンとエラが、チャットを通じて少しずつ仲を深めていく話だ。ネタバレを避けるためにも、まずは動画をご覧いただきたい。

いつも優しいブランドンと徐々に打ち解け、2週間後には毎朝4時のチャットが日課になる。エラの生活に、張り合いが出るようになる。だが、二人が初めて会う約束の日に突然、ブランドンが予定をキャンセル。理由は母親が入院することになったためだが、銀行振り込みができなくて困っているという。エラは2.5万ドルを振り込むが、その後ブランドンと連絡が取れなくなる。ブランドンは、実在しなかったのだ。

会う予定が急にキャンセルになった時点で若干怪しいのではないかと疑い始める人もいるだろう。一方で、二人が実際に会うというロマンチックな展開を予想している人にとっては、シンガポール政府の犯罪防止委員会(National Crime Prevention Council)のこの動画は非常に有意義だといえる。企画・制作はオグルヴィ・シンガポール。

ストーリーは、実際にあった恋愛詐欺被害をもとにしたものだ。このような詐欺犯罪の存在は知られているものの、まさか自分が被害者になるとは思わないもの。動画の最後に「毎月200万ドル以上が、インターネットの恋愛詐欺で搾取されています」と示されている。

キャンペーンサイトには詐欺被害に遭わないためのポイントとして、会ったことのない人に送金しないこと、相手の写真を画像検索して身元を確認すること、常にビデオ通話を求めることを挙げている。

(文:田崎亮子)

提供:
Campaign Japan

関連する記事

併せて読みたい

2022年1月21日

世界マーケティング短信:ブランドのパーパスと利益

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

2022年1月20日

Z世代とつながる鍵は、インクルージョンと文化的アイデンティティ

所得格差の拡大を懸念するZ世代は、ラグジュアリーブランドが表わすイメージへの期待を、高級感や憧れから、本物であることや入手のしやすさへと変化させている。M&Cサーチパフォーマンスの戦略およびカスタマーインサイト担当責任者は、そう指摘する。

2022年1月20日

これからの企業PRのあり方とは?

ビジネスや社会環境における分断がますます進行するなか、コミュニケーション責任者やビジネスリーダーは2022年、何を優先すればよいだろうか? APAC(アジア太平洋地域)の業界関係者に話を聞いた。

2022年1月20日

「人材の流動化」を生かす:へガーティ卿

昨年、フリーランスの人材とエージェンシーとをマッチングさせる会社「ジーニー(Genie)」を立ち上げたジョン・へガーティ卿。「ダイバーシティーの実現こそ未来を築く」と説く。