Emmet McGonagle
2019年8月19日

ギネスが描く、日本女子ラグビーの英雄たち

ギネスが展開するキャンペーン「Made of more」。ラグビーワールドカップを目前にテーマとしたのは、日本女子ラグビーの草創期を支えたチーム「リバティーフィールズ」だ。

世界のスポーツ界が注目するラグビーW杯2019日本大会の開幕まで、後ひと月となった。それに合わせてギネスが公開したCFは、日本初の女子ラグビー日本代表選手たちがテーマ。彼女たちが創設したチーム「リバティーフィールズ」の苦難の道のりを描いた。

ストーリーの背景となるのは30年前の日本。コーチもチームドクターも何のサポートもない中、同チームは当時の社会規範に抗ってラグビーと取り組み、初の女子W杯(1991年)への参加を目指した。

公開されたCFは60秒のテレビ広告(上)と、リバティーフィールズの当時のメンバーの声を収めた5分間のドキュメンタリー版(下)。制作を手がけたのはロンドンに本社を置くアボット・ミード・ヴィッカーズBBDO。

5分間のバージョンでは、元メンバーの太宰由紀子氏が「パワハラ、セクハラは当たり前の時代だった」と当時を振り返る。「女は可愛くて若くて、ちょっと仕事やって、結婚してやめていくというのが当時の男の人の理想」。同じく岸田則子氏は、1988年に日本ラグビー協会から「女子は危険だから(正式なチームとして)認めない」という通知を受け、自分たちで組織を作った経緯を語る。

同氏はこのように続ける。「結局(女子ラグビーが)なくなってしまえば、負けたことになる。存続させるために続けてきたのは、やはり負けたくなかったから。男でも女でもなく、こういうスポーツが好きな女性もいることを社会的に認めて欲しかった」。

このCFはギネスが長年展開しているキャンペーン「Made of more」の一環。包摂性を広く訴え、2014年からはラグビーも題材に取り入れている。

男子ラグビー欧州6カ国対抗戦の冠スポンサーであり、公式ビールでもあるギネスは、今年2〜3月に行われた女子6カ国対抗戦でも初の企業スポンサーを務めた。

女子イングランド代表のダニエル・ノーリ・ウォーターマン選手はこのCFを賞賛、「ストーリーのほとんどは今でも私にとってリアリティーがある」とコメント。

「先駆者の女性を語り継ぎ、讃えることには大きな意義があります。だからこうしたストーリーを伝えていくのは本当に素晴らしい。包摂性と多様性をいかに捉え、取り込むかが未来への成功の鍵ですから」

(文:エメット・マクゴナグル、翻訳・編集:水野龍哉)
 

提供:
Campaign UK

関連する記事

併せて読みたい

2 日前

世界マーケティング短信:負の連鎖を断ち切れるか

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

2 日前

「ブラック・ライブズ・マター」 声を上げるブランド

米・ミネアポリスで白人警官が黒人男性を死なせた事件に対する抗議行動が全米を席巻している。多くのブランドも、いち早く声を上げた。

2020年6月02日

注目ブランド「Zoom」の課題

コロナ禍で一躍脚光を浴びたZoom(ズーム)。同社CMOがマーケティング戦略と安全性を語る。

2020年6月02日

DAN、Q2は収益15〜20%減を予測

電通イージス・ネットワーク(DAN)の第2四半期業績予想を、CFOが語った。他のグローバルエージェンシーよりはダメージが少ない見込みだ。