David Blecken
2018年9月07日

メリノウールブランド、合成素材だらけのディストピアから脱出を呼び掛ける

映画「未来世紀ブラジル」や「ブレードランナー」のように暗黒社会を舞台とした動画が、自然素材の良さを訴求する。

TBWAシドニーが制作したザ・ウールマーク・カンパニーの動画が、急増する合成繊維を批判。衣服や、我々が住むこの世界そのものが不自然になってきていると警鐘を鳴らす。

この作品が目指すのは、スポーツやアスレジャー(アスレチック+レジャー)のウェアとして豪州産メリノウールが用いられる様子を紹介し、その高い機能性を広く知らしめること。ターゲットとしているのは、上海、東京、ニューヨーク、サンフランシスコの消費者だ。若い消費者は高機能かつナチュラルな繊維を求めているのではないか、との考えに基づいている。

この動画が描くのは、羊すらもプラスチックの毛に包まれた人工物だらけのディストピア(暗黒社会)から逃げ出す、一人の女性。たどり着いたのは、もこもこと毛に覆われた羊たちが生息する、スモッグの無いきれいな自然だ。

TBWAの声明によると、世界の羊毛製の衣服のうち、9割が豪州産のものだという。

Campaignの視点:
メッセージと、映像の素晴らしい仕上がりは申し分ない。誰もが理解できるようメッセージを伝える、シンプルながら目を引くコンテンツだ。

自然素材や環境配慮を訴求して差別化を図る衣類・繊維ブランドが、今後もっと出てくることは合点がいく。もちろん、その品質が本物であれば、ではあるが。結局のところ、自然で高品質な生地は、誰もが好むものだ。

ただ、他のさまざまな環境配慮製品と同様、欲求と実際の行動にはギャップが生じる可能性も。一般的なアスレジャー製品の消費者たちが、より高いお金を払ってでも買おうと思うか、というのが素朴な疑問だ。

(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:田崎亮子)

提供:
Campaign Japan

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