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2018年5月24日

世界マーケティング短信: 人工知能「マルセル」、アクセンチュアがメディア領域へ進出

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

世界マーケティング短信: 人工知能「マルセル」、アクセンチュアがメディア領域へ進出

ピュブリシスのAI「マルセル」がついにお披露目

ピュブリシスグループが開発した人工知能(AI)の「マルセル」が木曜日、パリでお披露目された。マルセルは、グループ内のさまざまなエージェンシーがより効率よく連携できるよう、同グループがマイクロソフトと共に開発したグループ内ネットワークだ。全ての社員が、さまざまな情報のダイジェスト版を毎日受け取ったり、プロジェクトやプレゼンの人員として適切な社内の人材をマルセルに提案してもらうことができる。同グループでは2020年までに、社員の9割がマルセルを活用することを目標としている。詳細な記事は近々掲載予定。

アクセンチュアが中国でプログラマティック領域に進出

中国での存在感がまだ小さいアクセンチュア インタラクティブだが、200名以上の社員を抱える中国の独立系デジタルマーケティングエージェンシー「伙传播(HO Communication)」を今週買収した。同社は英国でも、プログラマティック・メディア・プランニング&バイイングの組織を立ち上げ、エージェンシー機能を拡大。デジタルメディアのサプライチェーンへの信頼性が揺らぎ、広告主たちがメディアバイイング業務をこれまで以上にエージェンシーに任せたがっていることの兆候だろう。アクセンチュア インタラクティブで欧州・アフリカ・中南米を統括するアナトリー・ロイトマン氏によると、ここ数年でクライアントから、プログラマティック・トレード・デスクを社内に作りたいというリクエストを「非常に多く受けた」という。

事業拡大は結構なことだが、利益相反の問題が生じる可能性も出てくる。というのも、アクセンチュアはマーケティングパフォーマンスも監査しており、メディアエージェンシーの事業についても詳しく調べることとなるためだ。同社が今後、この問題とどのように向き合っていくのか、注目していきたいところである。

広告主が形づくる、マーケティングサービスの新しいモデル

WPPとユニリーバは今週シンガポールで、WPPの提供するサービスとスタートアップ企業のコラボレーションを開始した。「チーム・ユニリーバ」は、WPP傘下のさまざまなエージェンシーから人材を集め、ユニリーバ・ファウンダリー(Unilever Foundry)のコワーキングスペースで共働する。ファウンダリーは、ユニリーバが将来性のあるスタートアップ企業と提携しようとグローバルで打ち出した構想。同社の東南アジア担当プレジデント、ピエール・ルイージ・シギスモンディー氏は「未来のマーケティング・エコシステム」を形づくるものだとコメント。WPPは他にも、BPへのサービスとして「チーム・エネルギー」を立ち上げており、サービスプロバイダーたちとの密接な連携を望む大型クライアントが他にも複数いるということの表れだろう。

ユニリーバ・ファウンダリーiのコワーキングスペース

業務簡素化に向けたもう一つの動きとして注目に値するのは、米ファストフードチェーン「ヤム・ブランド」は同社の2.34億米ドルものメディアアカウントの管理に、ワイデン+ケネディを指名したことだ。ワイデン+ケネディは既に、ヤムのクリエイティブ業務も請け負っている。いわゆる典型的なメディアエージェンシーとは程遠いワイデン+ケネディに、これほどの業務を任せるのは異例のこと。だがケンタッキーフライドチキン(ヤム傘下)によると、「戦略的な意思決定」だという。従来の「フルサービス型」のエージェンシーに戻る動きは、今後も見られるのだろうか?

ザッカーバーグCEO、欧州議会からの質問に回答をはぐらかす

データ不正使用疑惑に関するフェイスブックCEOへの質疑応答は今週も続いた。だが欧州議会での質疑応答は、良い質問がいくつもあったにも関わらず、その形式が適切ではなかったため、返答する質問をザッカーバーグ氏が選び、一般論であいまいに回答することを許してしまった。同氏はいじめやフェイクニュース、2014年から取り組んでいるセキュリティー対策について話し、今後もさらに力を入れていくことを約束。ここで時間切れとなってしまった。

私たちが尋ねたいのは、4月後半から行っている謝罪キャンペーンに関する、極めてシンプルな質問だ。もし自らのミスについて率直な議論を交わそうと真剣に考えているのならば、なぜユーチューブのコメント欄を無効にしているのだろうか?

RTLアドコネクト、2強緩和を念頭に日本と中国へ進出

欧州でテレビ・ラジオ放送とデジタルメディア事業に従事する「RTLアドコネクト」が、日本と中国を足がかりにアジアへとサービスを拡大する計画だという。これらの市場でクライアントと緊密に連携して新興ブランドを見出し、彼らの欧州市場での広告展開を支援することを目指す。マネージングディレクターのステファン・コルブレ氏はCampaignの取材に対し、同社が近年デジタル領域を拡大しているのは、ユーチューブへの安全な配信を保証することで、グーグルとフェイスブックによる2強構造の緩和に努めていくためだとコメントした。

CMの先へと歩むAOI Pro.

AOI Pro.が出資・制作した映画「万引き家族」(是枝裕和監督)が今週、カンヌ国際映画祭の最高賞であるパルムドールを受賞した。同社広報担当者によると、広告制作がコアビジネスである同社にとって大きなチャレンジであったこと、そして今回の受賞は「何年もの間、夢に見続けてきたこと」であったという。

(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:田崎亮子)

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